ジャンボタニシ捕獲器開発 みやき町のプラスチック製造「大栄工業」が奈良女子大学と共同で

ジャンボタニシの捕獲器「スクミッチ」

 プラスチック製品の製造などを手がける三養基郡みやき町の大栄工業(干川量也社長)は、奈良女子大と共同で稲の食害をもたらす外来種ジャンボタニシの捕獲器を開発した。箱形の捕獲器に餌を入れて水田に置くだけという手軽さ。ポスト状の入り口で出にくい構造が特徴という。

 同社によると、これまで自治体や個人で苗箱やペットボトルを使った自作の捕獲器は作られてきたが、企業が専用の捕獲器の大量生産、販売に乗り出すのは全国初だという。

 ジャンボタニシは南米原産で繁殖力が強く、佐賀県内をはじめ全国的に田植え直後の柔らかい稲を食い散らかす被害が多発している。荒らされた場所を手で植え直す生産者もいる。兼業農家の同社社員の声がきっかけとなり、水中生物の研究をしている奈良女子大に依頼して共同開発した。

 捕獲器はプラスチック製の箱形(縦50センチ、横25センチ、高さ10センチ)で、中にジャンボタニシをおびき寄せる餌を入れて水面に置くだけ。両脇にある入り口をポスト状にし、内側にジャンボタニシが嫌う銅のテープを張ることで、一度入れば出られない構造になっている。奈良女子大の遊佐陽一教授(56)は「捕獲器の構造を迷路状にしたり、入り口にのれんのようなビニールを垂らしたりとさまざまな方法を試したが、ポスト状が逃げにくく、大量生産にも適している」と話す。

 商品名は「スクミッチ」。ジャンボタニシの正式名称「スクミリンゴガイ」がミチミチ(満ち満ち)に入るという意味が由来となっている。効果範囲は半径約15メートルで、水田1アールに3カ所の設置が目安。3アールの田んぼに9個の捕獲器を設置したところ、10日間で約5800個のジャンボタニシが捕獲できたという実験データもある。

 大栄工業営業本部の山下直行課長(43)は「環境にも優しく、雨で散布した農薬の効果がなくなることもない。長期的に見ればコストや手間の部分で負担が軽減される」とメリットを説明する。

 動画投稿サイトのユーチューブやティックトックも活用し、製品の効果をPRしている。商品として“ありそうでなかったもの”を生み出した。山下さんは「プラスチックを取り扱う企業としての技術を生かし、新しい分野にも挑戦した。今後改良を重ねながら、よりよいものを提供したい」と強調する。

 価格(送料別途)は本体1個が税込み3630円、餌となる誘引剤(12個入り)が同3300円。セット販売もある。問い合わせは同社、電話0942(89)3813。(井手一希)

ジャンボタニシの捕獲器「スクミッチ」
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