無症状の濃厚接触者は検査しない方針 新型コロナで和歌山県

新規感染者の状況を説明する県福祉保健部の野尻孝子技監(15日、和歌山県庁で)

 和歌山県は15日、県内で過去最多となる632人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。感染者増加により、保健所業務が逼迫(ひっぱく)していることから、県福祉保健部の野尻孝子技監は「感染すれば重症化しやすい人と接する機会が多い医療福祉関係者らを除き、無症状の濃厚接触者は原則検査しない」との方針を示した。

 同居家族に陽性者が出た人は保健所の連絡を待たずに7日間の自宅待機を求めている。濃厚接触者を除き無症状で感染に不安がある人は、登録されている薬局などで検査できる。

 新規感染者数は12日に609人、13日に630人と最多を更新したが、これをさらに上回った。最近の1日当たりの検査数は約1400件といい、高い陽性率となっている。

 保健所管内別の新規感染者は田辺と新宮で過去最多となった。

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は392.2人で、2月8日の386.6人を超えて過去最多。保健所管内では和歌山市526.4人、御坊457.0人などとなっており、全8保健所管内で200人を超えたのは初めて。田辺の221.4人と新宮の386.0人は過去最多。

 新たなクラスターは5件。田辺管内の特別養護老人ホームで5人、御坊管内の保育所で9人、海南管内の小学校で9人、岩出管内の官公庁で6人、橋本管内のこども園で8人の感染を確認した。

 病床は8床増やし、529床とした。感染者の累計は5万人を超え、5万331人となった。

新型コロナ新規感染者数 632人(15日、県発表分) 〔保健所管内別の内訳〕 和歌山市337 海南38 岩出59 橋本35 湯浅24 御坊41 田辺49 新宮47 県外2

© 株式会社紀伊民報