「白石踊」みやびに、もの悲しく 笠岡で3年ぶり体験ツアー

夕闇の砂浜で伝統の白石踊を披露する島民たち

 笠岡市沖の白石島で16日夜、源平合戦に由来するとされる盆踊り「白石踊」(国指定重要無形民俗文化財)の体験・鑑賞ツアーが開かれた。新型コロナウイルス禍の中止を経て3年ぶりの開催。岡山県内外の約50人が参加し、みやびで、どこかもの悲しい舞を堪能した。

 夕暮れの海水浴場に、着物や法被姿の島民が登場。太鼓と唄(うた)い手を囲み、「ヨーホイ、ヨーイヤナイ」という独特の掛け声に合わせて、笠(かさ)や扇子を使った伝統の踊りを披露した。

 福山市から訪れた参加者(68)は「幻想的な空間で見る優雅な踊りに感動した」と話していた。

 白石踊は、源平水島合戦(1183年)の死者を弔ったのが始まりとされる。男、女、笠など異なる振り付けが13種類あり、一つの音頭で、複数を同時に繰り広げるのが特徴。8月13~16日には盆踊りが行われる。ツアーは観光客向けに島民でつくる白石踊会が主催した。

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