休日部活動の「地域移行」、9中学校剣道部で開始 福井県福井市がモデル事業の対象選定

部活動地域移行のモデル校の選定や進め方について確認した評価委員会=7月13日、福井県の福井市役所

 福井県福井市の市立中学校の休日の部活動指導を民間団体に委ねる「地域移行」について市教委は7月13日、学校関係者らで市地域運動部活動研究評価委員会を設置し、9校の剣道部をモデル事業の対象に選定した。市剣道連盟に指導を委託し、県立武道館(三ツ屋町)を拠点に早ければ8月下旬から開始。本年度中に成果や課題をまとめ、来年度以降、モデル事業の対象を拡大していく。

 モデル校は剣道部がある明倫、明道、成和、至民、大東、森田、足羽一、藤島、清水の9校。生徒数は計約150人で、参加希望者が県立武道館に集い合同で活動する想定。モデル事業は8月下旬~9月上旬に始め、来年3月まで実施する。

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 評価委は福井地区中学校体育連盟や市PTA連合会の代表者らで構成。この日は委員7人が参加し、福井大講師の近藤雄一郎さんを委員長に選んだ。吉川雄二教育長は「先行事例を聞くとまだまだ課題が山積している。モデル事業で市の方向性を決め、実現の可能性を模索していきたい」とあいさつした。

 市教委は剣道を選んだ理由として▽指導者登録数が24人いて充実している▽市剣道連盟の活動拠点である県立武道館は市中心部に近く利便性が良い-などと説明。委員からは「武道館だけではなく学校施設の活用もあるのではないか」「県立武道館まで距離がある学校もあり、移動はどうするのか」といった意見が寄せられた。

 今後、部活を視察するなど年度内に4回の評価委を実施。生徒や保護者らへのアンケートを踏まえ、課題や成果をまとめる。

 地域移行は、教員の負担軽減や少子化に対応しようと段階的実現を目指しており、スポーツ庁が2023~25年度を「改革集中期間」に設定。自治体へ具体的な移行プランやスケジュールを定めた推進計画の作成を求めている。県内では昨年度から鯖江市と美浜町で運動部、敦賀市で文化部のモデル事業を実施している。

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