倒れた男性、体が車道に出る 黒ビニールと思ったタクシー運転手「動いた!」…Uターンし交通誘導、命救う

交通事故防止で東松山署から感謝状を贈られた安田誠一郎さん

 埼玉県警東松山署は15日、東松山市内の県道に倒れていた男性を救助した坂戸市在住のイグチ交通のタクシードライバー安田誠一郎さん(60)に感謝状を贈った。

 安田さんは、6月15日午前1時40分ごろ、東松山市神明町2丁目の県道で、乗用車を運転中、車道上に倒れている男性を発見、このままだと交通事故につながる可能性が高いと判断、110番通報をするとともに警察官が到着するまで交通誘導を行い、交通事故の発生を未然に防止した。

 男性は酒に酔った状態で、上半身が車道に出た状態で寝そべっていた。最初は「黒っぽいビニールでも落ちているのかな」と思っていたが、通過してから「何となく動いたような気がした」ので、約50メートル先でUターンして現場に戻った。

 車から降りると男性で、息もあったので、110番通報。通過車も多く危険を感じ、とっさに車にあった反射材付きのたすきをかけ、懐中電灯を振り、通過車に減速と車線変更をうながすなどの交通誘導を始めた。

 圓谷(つむらや)庄二署長から「死亡交通事故にもつながるケース。機転をきかせた行動に感謝します」と言葉をかけられた安田さんは、感謝状を手に「(未然に防げて)良かった、本当に良かったです」と笑みを浮かべた。

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