トヨタ、デイ3も1-2維持「コンディションがカッレに合っている」とラトバラ/WRCエストニア

 7月16日、WRC世界ラリー選手権第7戦『ラリー・エストニア』の競技3日目となるデイ3がエストニアのタルトゥを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)総合首位、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合2番手を守り、ラリー最終日を前にワン・ツーを堅持している。

 午前中にタイヤのトラブルに見舞われたエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合7番手に後退した一方、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、前日からふたつ順位を上げ総合5番手となっている。

 高速グラベル(未舗装路)ラリーが展開されている第7戦エストニアのデイ3は、サービスパークの南側エリアで4本のステージを各2回走行し、1日の最後にタルトゥのスーパーSSを実施するフォーマットで争われた。

 午前中はコースの一部が湿っていたり、ぬかるんでいる箇所があったものの全体的にはドライコンディションでの戦いに。午後は降雨によりウエットコンディションとなったステージもあり、また一部に深い轍(わだち)も刻まれるなど、非常に複雑で難しい路面コンディションとなった。

 そんな競技3日前を総合首位で迎えたロバンペラは、オープニングのSS10で、ベストタイムのエバンスに次ぐ2番手タイムを記録すると、続くSS11から一気にスピードを上げ、SS17まで7ステージ連続でベストタイムを刻んでみせる。デイ3最後のSS18に少々後れを取ったが、最終的にはエバンスとの差を29.1秒に拡げて首位を守った。

 一方のエバンスは、ロバンペラのタイムにこそ及ばなかったが、ステージ2番手タイムを6回記録するなど1日を通して速いペースを維持した。彼は総合3番手につけているオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)との差を42.4秒に拡げてデイ3を走り切っている。

 デイ3で総合4番手につけたラッピは、SS11まで順位を守っていた。しかしSS12のジャンプで着地をした際、タイヤがホイールのリムから外れてしまうアクシデントが発生。タイヤ交換により約2分30秒のタイムを失うこととなり、ラッピ組この影響で総合7番手まで順位を下げている。

エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第7戦ラリー・エストニア

■ラトバラ代表「デイ3も力強く戦うことができた」

 ラリーの競技3日目をワン・ツーを維持した状態で終えたTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表、ヤリ-マティ・ラトバラは次のように語った。

「午後のステージは深い轍が刻まれ、ぬかるんだ場所も多くあるなど、またしてもトリッキーな1日だったが、今日も力強く戦うことができた」

「このような変わりやすいコンディションは、どうやらカッレ(・ロバンペラ)に合っているようで、彼は本当に強かったと思う」

「エルフィン(・エバンス)もノーミスで安定していて、しかもスピードも素晴らしく、非常にいい走りを見せてくれた。だから、ここまでとても順調だと言えるが、天気はつねに変化しているし、何が起こるかわからない。このような状況下ではミスをしやすいので、最後まで集中力を高めて臨まなければならないんだ」

 ラリー・エストニアの競技最終日、17日(日)に行われるデイ4は、タルトゥの南側エリアで3本のステージを各2回走行する予定となっている。最終SS24“カンブヤ2”は、ステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスポイントが付与されるパワーステージだ。SS19~24の合計距離は77.98km、リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は406.27kmに上る。

サービスで整備を受けるトヨタGRヤリス・ラリー1 2022年WRC第7戦ラリー・エストニア
デイ2から順位をふたつ上げた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2022年WRC第7戦ラリー・エストニア

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