重・中等症の病床、沖縄本島中南部で満床に  コロナ感染4165人最多、初の4000人超(7月18日朝)

 沖縄県は17日、新たに4165人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。初めて4千人を超え、過去最多を更新した。県対策本部によると同日午後6時ごろ、中南部の重点医療機関で重症と中等症患者を受け入れる病床が満床となった。関係者によると、県は18日に緊急の幹部会議を開き、感染対策について協議する。連休明けの早期に対策本部会議を開き方針を決める予定だ。
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 17日の入院患者は404人、病床使用率は62.4%で中等症以上の患者は208人。中南部では病床が満杯になったため、県対策本部の入院調整も困難になり、搬送先が見つからず救急車で待機する時間が長引いている。
 県は19日にコロナの専門家会議を開き、医療界の意見を聞く。その後、経済団体からも意見を聴取する予定で、感染対策強化に向けた動きが出ている。
 県は11~24日の期間で本島圏域と八重山圏域に「コロナ感染拡大警報」を出したが、警報発出後も新規感染者は連日過去最多を更新し、感染拡大が続いている。
 岸田文雄首相は15日の会見で、現段階での行動制限は求めず、社会経済活動と感染拡大防止の両立を目指す方針を示した。政府が行動制限に消極的な中、県の新たな対策が注目される。
 17日の新規感染者を年代別に見ると、最多は10代の776人、次いで10歳未満が686人と多かった。10代以下で全体の約35%を占めている。自宅療養を含めた全体の療養者数は12日以降、千数百人ずつ増え続け、17日は2万7112人に達した。
 米軍関係の新規感染者は39人だった。
(塚崎昇平、稲福政俊、嘉陽拓也)
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