コロナ禍で増加中 進化続ける冷食用販売機、設置場所の検索も!

最近、東京都内のあちこちで見かけるのが「冷凍食品の自動販売機」です。ラーメンやギョーザだけでなく、すしやケーキの販売機もあります。この自動販売機を製造販売する会社が東京・墨田区にあります。会社では「検索アプリ」も登場させ、進化を続けています。

墨田区に本社のあるサンデン・リテールシステムは店舗向けの冷蔵ショーケースに加え、最近ではコロナワクチンの運搬用冷凍庫などを製造販売しています。この会社で2019年から開発を進め、2021年1月に発売して以来全国で導入が広がっているのが、冷食用自販機「ど冷えもん」です。サンデン・リテールシステムの長野倫之さんは「もともと冷凍食品の売り上げが年々伸びていた。そんな中、アイスクリームを販売できる自動販売機はあったが、冷凍食品を販売できる自動販売機はなかった。市場の盛り上がりを受け、冷凍食品を販売できる機械を作ろうと開発を始めた」と話します。

設置が始まった2021年は新型コロナウイルスの感染拡大が続き、飲食店は営業時間の短縮を余儀なくされていました。そうした中、24時間販売が可能で売り上げを確保できる「ど冷えもん」の人気は高まり、当初の販売目標を超え、今年3月末には全国で3000台以上が設置されています。

耳に残る「ど冷えもん」というネーミングは、一体どのようにして決まったのでしょうか。長野さんは「私の部署でネーミングを公募し『ど冷えもん』という名前もあったが、候補から落としていた。他の案で上層部に掛け合ったが『ネーミングがつまらない。何か他に面白いものはないのか』と聞かれ、『ど冷えもん』というのもあると答えたら、上層部が面白がった」とこぼれ話をしてくれました。

"24時間どえらく冷える優れもん”から名付けられたという「ど冷えもん」は、最近は新たな目的で導入される事例も出てきています。長野さんは「例えば名古屋の名物料理"名古屋めし”を東京の神楽坂で販売している冷凍自販機がある」と話します。店舗を構えるよりも初期費用が少ないため、地方の有名店が東京進出の足掛かりとして利用しているといいます。そして今回、需要の伸びとともに街の中に増えてきた「ど冷えもん」を効率よく探せるようにと、新たにスマートフォンで検索できるアプリ「ど冷えもんGO」も公開されました。設置場所やジャンルからも探すことができ、位置情報機能から現在地近くにある「ど冷えもん」が表示されます。

長引くコロナ禍でますます需要が高まる「ど冷えもん」に、これから先、どんな食べ物が入るのか期待も高まります。

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