【山形】高校野球 東海大山形/95年以来、悲願の甲子園出場へ

 高校野球の第104回全国選手権山形大会はベスト4を懸けた戦いが繰り広げられている。東海大山形は過去2年連続であと一歩のところで優勝旗に届かなかった。今年こそは悲願の甲子園出場なるか——。

恩師への恩返しの思いを胸に、遠かったあと一歩を踏み出す

 2020年の代替大会、昨年の山形大会と夏は2年連続で決勝に進出。だが、あと一歩で優勝旗に届かず、涙を飲んできた。2年連続準優勝を目の当たりにしてきたのが今年の3年生。春の県大会は2回戦でコールド負けだったが、武田宅矢監督は試合内容を振り返り、「攻撃では次の次の塁を狙うことができた。守備を鍛えれば戦える」と手応えを話す。
 今夏にかける思いは強い。東海大山形を春夏8度の甲子園に導いた滝公男監督(現山形学院)の後を受け、東海大を卒業して以来22年、監督として指揮してきた武田監督が今夏でタクトを置く。2004年のセンバツに出場したが、その後は強豪ひしめく山形で常に上位の成績を残すも、甲子園にはたどり着けなかった。「最後の夏に甲子園に出場したいですね」と意気込む。
 “恩返し”の夏でもある。武田監督が高校野球に励んだ東海大五高(現東海大福岡)の監督、穴見寛氏は名将・原貢監督(故人)のもと、三池工の捕手として65年夏に甲子園初出場初優勝を果たした。「原野球、縦縞野球の真髄を教えていただいた。今あるのは穴見先生のおかげ」と感謝する恩師は昨年12月に死去。写真をベンチに置き、ともに戦う。
 2年連続準優勝から95年以来の甲子園へ。「個々の力はある」と認める3年生と、集大成の夏を1日でも長く、戦い抜く。

1995年以来の甲子園出場を目指す東海大山形

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