36人が犠牲となった2019年の京都アニメーション放火殺人事件から3年がたった7月18日、同社は現場の第1スタジオ跡地(京都府京都市伏見区)で追悼式を開いた。八田英明社長(福井県福井市出身)は式典後、記者団に対し「なんでこんな事件が起きたのかずっと考えている。作品を作り続けることが大事。36人の遺志をつなぐ」と語った。
追悼式は非公開。事件発生時刻に合わせ午前10時半過ぎに開催した。会社側によると、ある遺族は弔辞で「あの日、どんなに怖かったことでしょう。無念だったことでしょう。もっともっとあなたの未来を見ていたかった」と述べた。「スタジオは家庭のような温かさがあった」とする社員の弔辞もあった。
遺族や社員ら約120人が参列。1分間黙とうし、その後献花した。涙ぐむ人もいたという。跡地周辺や作品ゆかりの地では、追悼するファンの姿が見られた。
八田社長は記者団に「(式では)みんなを守れなかったことをおわび申し上げた」と説明した。事件で起訴された青葉真司被告(44)については「名前を口にするのすらはばかられる。話したくない」とした。公判は始まっていない。