殺人現場の遺体写真を不倫相手の女性に送る 元警察官に有罪判決

京都地裁

 警察官が殺人事件の遺体写真を不倫相手の女性に送ったとして、地方公務員法(守秘義務)違反と有印公文書偽造・同行使の罪に問われた元下京署警部補の男(38)=停職3カ月の懲戒処分、依願退職=の判決公判が19日、京都地裁であった。伊藤寿裁判長(川上宏裁判長代読)は、懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。

 判決によると、2020年10月21~22日、京都市内で2回にわたり、同月に下京区の市営住宅で起きた殺人事件の遺体発見時の写真を、自分の携帯電話に表示させて不倫相手の女性に見せた上、送信した。また同年12月31日、自らを独身と装うため、妻と離婚したとする偽の戸籍事項証明書を自宅のパソコンで作成し、女性に送るなどした。

 判決理由で伊藤裁判長は、捜査上だけでなく、被害者や遺族の名誉や尊厳の観点からも遺体の写真は機密性が高いと指摘。不倫相手に見せ、送信までしたことについて「警察官の職務に対する国民の信頼を著しく失墜させた」と非難した。

 一方、男がすでに不倫関係を解消し、依願退職するなど反省の態度を示していることなどから、執行猶予が相当とした。

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