名画とモネの朝食味わうツアー 大原美術館と倉敷国際ホテル連携

モネの睡蓮(左)を解説付きで鑑賞するツアー参加者

 大原美術館(倉敷市中央)で、フランスを代表する印象派の画家クロード・モネ(1840~1926年)の代表作「睡蓮(すいれん)」を鑑賞後、近くの倉敷国際ホテル(同)で、美食家だったモネのレシピを味わう特別ツアーが県内外の観光客に好評だ。モネの魅力が詰まった催しを紹介する。

 モネはノート6冊にお気に入りの調理法を記すほど“食いしん坊”だったことで有名。大型観光企画「岡山デスティネーションキャンペーン」に合わせ、名画を所蔵する美術館がホテルなどと連携し、出版されたレシピを参考に食事を再現。「プレミアムモーニングツアー~モネの朝食」と名付け、開館前に館内を巡ってもらう催しと食事会を4月から始めた。

 日曜日に行われ、午前8時から約1時間、作品を鑑賞。6月中旬にあったツアーでは、参加者が特別解説員から名画誕生の背景や美術館の歴史を教わり、メーンテーマの「睡蓮」の鑑賞では、ありのままの自然や光と影を愛したモネの世界観が詰まっていることなどに聞き入っていた。

 その後は名画の余韻に浸りながら、美術館裏の専用通路を歩きホテルに移動。モネが43歳から亡くなる86歳まで過ごした自宅兼アトリエの菜園で、ハーブや野菜を育てながら家族と楽しんだとされるこだわりの料理を約1時間かけて味わった。

 食用花を用いた「カモのパテと洋野菜サラダ添え」は作品の「睡蓮」をイメージした彩り。岡山産鶏の卵を使ったリヨン風ポーチドエッグやポタージュスープが出され、白桃やシャインマスカットなど“岡山産”をPRする果物も添えられている。

 岡山市南区の女性(58)は「少人数の解説付きで、地元にある名画の魅力を実感し、おいしい料理に活力ももらえる。県民割を使えばホテルの宿泊もお得感がある」と話した。

 ツアーは定員25人(最少5人)で12月4日まで(一部除く)。1人7100円。5日前までに大原美術館ホームページから申し込む。問い合わせは同館(086―422―0005)。

朝食ではモネのレシピを再現した「ポーチドエッグ」が味わえる
名画「睡蓮」をイメージした前菜

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