音楽活動にピリオド 原点は広島… 吉田拓郎に捧ぐ! “広島フォーク村” は永遠なり…

広島を音楽人生の原点とする1人のミュージシャンが、ことしいっぱいで音楽活動にピリオドを打ちます。

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彼の名前は、吉田拓郎。その52年間のアーティスト活動をリスペクトする全国のファンが広島に集まりました。

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きょうのテーマは、『吉田拓郎に捧ぐ! 伝説の “広島フォーク村” は永遠なり…』

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吉田拓郎さんは、1946年、鹿児島生まれ。今、76歳。9歳のときに広島へ引っ越し、その後、ずっと広島(皆実小・翠町中・皆実高広島商科大学[現在の広島修道大学])で育ちました。学生時代、音楽仲間たちと「広島フォーク村」を結成し、大学卒業後にプロデビューを果たします。

『結婚しようよ』がヒット。森進一さんに提供した『襟裳岬』はレコード大賞を受賞するなど、70年代から現在まで日本の音楽シーンをけん引してきました。そして、ことしで活動にピリオドを打つことになりました。

提供 広島市文化財団 ひと・まちネットワーク部

広島フォーク村は、伝説の音楽活動でして、54年前の1968年に広島市の青少年センターで始まりました。

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半世紀の時を経て、当時の熱気がよみがえるイベントが先週、聖地ともいえる青少年センターで開かれました。

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「拓郎フェスティバル」と銘打ったイベントには、北は北海道から西は山口まで137人のアマチュアミュージシャンが集まりました。拓郎さんを愛してやまない人たちです。

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しまのひでゆき(広島)
「もうお疲れさまという感じで。ゆっくりしていただいて。拓郎さんの思いとともに、まだまだこれから自分たちのライブや歌をずっと継承してやらせていただきます」

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マッキー&ライカンズ(神奈川)
「例えばジョン・レノンだってもういないし、もうモーツァルトだってショパンだっていないけど、全然、普通に楽しんでいるわけですから。ぼくはそんなに悲しいとか、さびしいとか思わなくて。今までの作品をずっと聴き続けるという感じですね」

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イベントはバンドには30分、弾き語りには20分の時間が割り当てられ、参加者が思い出の曲を披露します。

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拓郎フェスティバル実行委員会 白井千春委員長
「全国にいわゆるフォーク居酒屋とかフォーク酒場が、だいたい調べた限り200軒ぐらいあるんです。それを全部リストアップして、出演者募集要項をお送りして…」

当初は1日限りの予定でしたが、予想以上の反響があり、2日間の開催となりました。

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ステージに立った人には、日本のシンガーソングライターの草分け的な存在・拓郎さんにそれぞれひかれる理由があります。

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府中元気フォーク村(広島)
「パワフルなところです」

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VANぱーやん(広島)
「わたしの音楽の原点でもありますし、人生の1つの道しるべと思っていますので」

年を重ねて、やっとこの歌『唇をかみしめて』の歌詞の意味がわかるようになったという男性…。

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KAZURO(広島)
「かっこいいと思いますよね。生き方にしろ、歌にしろ、やっいてること、しゃべること。拓郎が好きな人は全部が好きなんじゃないですかね」

中学生のとき、ギターを弾き始めるきっかけが拓郎さんだったという65歳のベストソングは、『どうしてこんなに悲しんだろう』。

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TAKATOMO(岡山)
「ジーパンをはやらせたのも拓郎さんじゃないかなと、わたしは思っているんですけど。青春の本当の意味での1ページですね」

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広島フォーク村の開村コンサートが開かれた聖地に立つことは、県外からの出演者にとっては、格別のものとなったようです。

TAKATOMO(岡山)
「できればメイン会場(ホール)で歌いたかったです」

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拓郎さんの楽曲「マークII」を店の名前にしたフォーク酒場の常連客は、横浜から夫婦で参加していました。

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横浜マークIIバンド(神奈川)
「今まで拓郎さんの音楽人生が始まったこの広島にずっと来たかったんですけど。今回、このフェスをきっかけで来ることができて。しかも、この青少年センターでステージに立てるというのは、もう拓郎ファン冥利に尽きる」

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「ふだん仕事帰りで疲れた顔をしているんですけど、別人のようにキラキラ光っていまして、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

マークIIのメンバーの中では最年少54歳という男性は…。

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横浜マークIIバンド(神奈川)
「いや、これは、もう一生の思い出っていうか。あー、おもしろかったと、死ぬ前に絶対思い出す経験になったと思います」

『おきざりにした悲しみは』をベストソングに選んだこちらの夫婦は、一緒にステージに立ちました。

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マッキー&ライカンズ(神奈川)
「うれしいという気持ちだけ。あっという間に時間が過ぎてしまった。すごく気持ちがよかったです。ステージで歌うのは。夫婦円満のコツになるかもしれません」

ベストソングは、『今日まで そして明日から』という愛知から参加の女性は…。

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けい&みい(愛知)
「感動です、本当に。もううれしかったです。やっぱり広島はあこがれです」

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2日間のトリを務めたのは、白井実行委員長率いるPENNY RAIN。総勢22人のバンドの熱い演奏です。

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観客
「涙がちょちょぎれる。もう、最高です。これで最初で最後ですからね。いやいやまたやります」

拓郎フェスティバル実行委員会 白井千春委員長
「広島の地でぼくたちが少しでも拓郎さんの後を追いかけながら、若い人の中に拓郎さんを超えていくような人が出れば。本当に楽しみだと思います」

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広島を音楽人生の原点とする拓郎さんのスピリッツは、時代が、昭和から平成・令和へ変わった今も引き継がれています。

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