新作神楽「厳島合戦」 高校生が初披露 毛利元就の居城・安芸高田市

戦国武将・毛利元就を主役にした新作神楽が、おひざ元の広島・安芸高田市で披露されました。初披露の大役を担ったのは、地元の高校生でした。

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毛利元就のおひざ元・安芸高田市の吉田地区で続く伝統の祭り「一心祭り」です。これまで誰も舞ったことのない新作神楽「厳島合戦」がお披露目されました。

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安芸高田市の郡山城を本拠地とした元就が、山口の陶晴賢を厳島で討ち取った戦がテーマになっています。市内の神楽団22団体と地元の吉田高校に台本が贈られました。

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脚本を手がけたのは、安芸高田市の元職員・稲田幸久さんです。

脚本担当(安芸高田市元職員) 稲田幸久さん
「型にはまらない、勢いのある舞いを見せてもらいたいですね」

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この台本を初めて演じる大役を任されたのは、吉田高校の生徒たちです。初披露の舞台は、7月の「一心祭り」に決まりました。

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台本には、セリフやおおまかな流れは書いてありますが、細かな動きや演出は生徒たち自身が考えます。新作なので前例がなく、参考にできるものもありません。部員たちで話し合ったり、神楽団の人に相談したりして、吉田高校独自の「厳島合戦」に仕上げます。

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主役の元就を演じるのは、神楽をするために母親とともに福山市から吉田高校の近くに移り住んだ児玉創志さんです。

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毛利元就役 児玉創志さん
「確かに目標にする人がいないとかはあるが、最初だからこそ、自分たちが基本になってやろうくらいの勢いでできれば。自分たちの意見を出し合ってできるのが、高校生の良さだと思うので」

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新作神楽を企画したのは、地元の神楽団にも所属する下岡佑也さんです。

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企画した 下岡佑也さん
「今後、神楽を担ってもらう子たちがこれだけいるんだっていうのを地域の人にも神楽ファンの人たちにも伝える、いいきっかけというところもあるので本当に楽しみ」

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そして、迎えた「厳島合戦」初披露の日。祭りが4年ぶりということもあり、多くの人で盛り上がっていました。

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部員たちも想像以上の観客の多さに緊張を隠せません。

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毛利元就役 児玉創志さん
「高校生の活気や技術面だけではなく、気持ちの面や元気さを見てもらえたら」

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初めて見る演目に観客は釘付けです。本番中、下岡さんも裏方として支えます。

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新作神楽の初舞台に大きな拍手が送られました。

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毛利元就役 児玉創志さん
「この人数で初めてでやれることはやれたかな。今後も吉田高校に『厳島合戦』を頼まれることがあるときには個人演目くらいのつもりで…」

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観客たち
「すばらしかった」
「毎年続けて、日本中を回ってほしい」

企画した下岡さんも満足したようです。

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NEXTひろしま神楽プロジェクト 下岡佑也さん
「練習のときから見ていたので、しっかりとやってくれているんだろうなと想像しながら裏方をしていた。まずはおつかれさま。高校生の力で今後、神楽を盛り上げてほしい」

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下岡さんは、安芸高田市の22団体、そして吉田高校の神楽部に今後もオリジナルの「厳島合戦」を作っていってほしいと話していました。

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