ブログ記事で名誉棄損…戸田市議に罰金30万円判決 「言論の自由はき違えて犯行」市長妻の名誉傷つける

戸田市役所=埼玉県戸田市上戸田

 ブログの記事で菅原文仁戸田市長の妻の名誉を損なわせたとして、名誉毀損(きそん)の罪に問われた、埼玉県戸田市議の林冬彦被告(57)の判決公判が19日、さいたま地裁(佐々木一夫裁判長)で開かれ、佐々木裁判長は求刑通り罰金30万円を言い渡した。

 判決理由で佐々木裁判長は、「知人などから聞いた話をうのみにし、根拠もないのにブログ記事を掲載した」と指摘。市長の妻が市長候補者の誹謗(ひぼう)中傷ビラを配布したり、女性関係のデマを流しているとの行為は、認められないとした。

 記事掲載については、「市議会議員の立場にありながら、ネット上の影響力の大きさなどに無自覚なまま、言論の自由が保障される意味をはき違えて犯行した」と述べた。

 林被告は公判で、「戸田市の選挙が適正かつ公正に行われることを願っての行為だった」などと述べていた。

 判決によると、林被告は2020年10月6日ごろ、自身のブログに「戸田市の菅原文仁市長夫人からの名誉毀損の訴えについて(ことの発端)」と題する記事を掲載。「戸田市長候補者に関する誹謗中傷ビラを家庭にポスティングしていた。女性関係のデマを流していたという情報が寄せられている」などと書いた2018年3月24日ごろの記事のリンクを張るなどして、市長の妻の名誉を毀損した。

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