公立高進学希望状況 長崎西理系コース1.83倍 新設「文理探究科」5校で定員割れ

 長崎県教委は19日、中学3年生を対象にした2023年度の公立高進学希望状況の第1回調査結果(7月1日現在)を発表。全日制普通科で進学希望倍率が最も高かったのは、長崎西理系コースの1.83倍(前年同月1.79倍)。全日制で倍率1倍に達しているのは55校中17校で30.9%。来年度新設の「文理探究科」は、5校とも定員を割った。
 全日制普通科で倍率が高かったのは、ほかに長崎北陽台1.64倍、長崎東(国際科含む)1.55倍など。全学科では、長崎工業の機械科と情報技術科がそれぞれ2.40倍と最も高く、佐世保工業機械科の2.03倍が続いた。
 課程別倍率は全日制0.94倍(同0.97倍)、定時制0.20倍(同0.22倍)、通信制0.09倍(同0.06倍)。全日制は7月の調査では3年連続1倍を下回った。県教委は「生徒の減少や20年度から始まった私立の授業料実質無償化の影響では」とみている。
 文理探究科は、文理の枠を超え探究型学習に取り組む学科で長崎北陽台、佐世保南、島原、大村、猶興館に新設される。大学での研修や海外校との交流、授業中のディスカッションなど専門的な学びを掘り下げるプログラムを展開する。県教委は、いずれも定員に満たなかったことについて、初めてで生徒が様子見をした可能性があるとした上で「まだ文理探究科について伝えきれていない。学校説明会などでアピールしていきたい」としている。
 調査対象は1万1985人。このうち高校や高等専門学校、特別支援学校高等部への進学希望者は1万1686人。進学希望率は97.5%。11月にも調査する予定。


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