両頭型のカーフェリー 佐世保、前畑造船で命名・進水式

進水した両頭型のカーフェリー「ロザリオ・カーム」=佐世保市、前畑造船

 長崎県佐世保市干尽町の前畑造船(北村與志郎社長)で16日、両頭型のカーフェリー(299トン)の命名・進水式があった。「ロザリオ・カーム」と命名され、関係者が航行の安全を祈願した。
 全長36メートル、幅10.6メートル。鹿児島県長島町の天長フェリーから受注した。前後どちらにも運航できる特殊な船型。作業効率を求められる離島航路で方向転換の必要がなく、スピーディーに離着岸できる。引き渡しは12月中旬の予定。
 式では船名を発表し神事。祝いの餅まきの後、支綱が切断され進水した。カームは穏やかな海を意味する。
 同船は長島町の片側港と諸浦港、熊本県天草市の中田港を結ぶ離島航路で運航中の「フェリーロザリオ」の後継船となる。
 同造船は水産高校の実習船を建造中で11月に進水予定。来年度はケミカルタンカー、漁業調査船を建造する。北村社長は「住民の生活を支えるフェリーを建造できてうれしく思う。今後もいろんなところで役立つ多種多様な船を手がけていきたい」と話した。


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