【千葉】高校野球 銚子商/再び大漁旗が振られる光景が見られるか

 高校野球の第104回全国選手権千葉大会。21日にはベスト8を懸けた試合が行われる。県内で甲子園最多出場を誇る銚子商は、成田と対戦する。

古豪なんてもう言わせない!翻る大漁旗をまた見せられるか?

 県内最多となる春夏合わせて20回の甲子園出場を誇る古豪から復活の狼煙が上がっている。
 1953年春に甲子園初出場で8強入りを果たすと、74年夏には篠塚利夫(元巨人)、土屋正勝(元中日、ロッテ)などを擁して全国制覇を達成。1995年春には強打者・澤井良輔(元ロッテ)を中心に準優勝を果たすなど、かつては全国屈指の強豪校だった。
 だが、最盛期に9万人を超えていた人口は昨年ついに6万人を割るなど、漁師町は少子高齢化の波に飲まれ、過疎化が進行した。同校に選手も集まらなくなり最後の甲子園出場は2005年夏。2013年からは夏の県大会で4年連続初戦敗退を喫した。
 しかしOBの澤田洋一監督が2017年から就任すると、チームは徐々に強さを取り戻す。その夏に16強入りすると、18年秋と19年春は2季続けて4強に進出した。この躍進を見て入学してきたのが現在の3年生だ。準決勝で本塁打を放った鵜澤智也は「“古豪なんて言わせない”という気持ちで入りました。熱狂的なファンの方が多く、練習からたくさんの人が見学に来てくださいます」と強い志と感謝の気持ちを話す。
 今年のチームの特徴は「主将である久保形怜司の声で苦しい時も前向きになれる」と澤田監督。選手、指導者、ファンが一体となればアルプススタンドで再び大漁旗が振られる光景も夢ではない。

選手、指導者、ファンが一体となる銚子商

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