【福島】高校野球 田村/メモリアルイヤーに初の甲子園出場なるか

 高校野球の第104回全国選手権福島大会。21日にはベスト8を懸けた試合が行われる。1923年に開校し今年が創立100周年の田村は、郡山北工と対戦する。

期待感を持てるチームに成長。創立100周年に捧げる甲子園

 春の県大会1回戦で尚志に4対1で勝利。大友研也監督は「ミスなく守り切れたのが勝因」とうなずいた。4対0とリードして最終回の守りについたが、1死満塁のピンチを招く。エース左腕・桒原雅仁は遊ゴロに打ち取り、遊撃手の大和田零士が二塁ベースに入った二塁手の岩﨑大翼に送球して1死。岩﨑は併殺を狙って一塁へ送球しようとしたが、ボールを握れなかった。次の瞬間、ボールを握り直した岩﨑は一塁ではなく、三塁へ送球。三塁をオーバーランしていた二塁走者をアウトにし、ゲームセット。日頃から練習してきたプレーを公式戦で発揮した。
 続く2回戦で聖光学院に敗れたが、大友監督は「桒原も我慢して投げたが、追い込んでから粘られた。そういう時にどうするか、見えたものがあるので夏に向けて収穫だった」と話す。

 今年の夏は田村にとって特別な意味合いがある。1923年の開校で、今年が創立100周年。「入学した頃は最弱な学年だと思った」と指揮官は苦笑するが、「伸び率は今までで一番。何かをやってくれそうな期待感を持てるチームになってきた」と成長を喜ぶ。昨年は佐久間拓斗捕手がソフトバンクに育成8位で入団し、それを見た志高い1年生が20人入った。インターハイに毎年60人ほどが出場する県で唯一、体育科がある公立校。メモリアルイヤーの今年は野球部も初の甲子園出場という花を咲かせる。

創立100周年の田村

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