「保健所が手いっぱいに」重症化は少ないが負担は減らず… ひっ迫する発熱外来の現場は コロナ禍で迎える3回目の夏

新型コロナの感染拡大が止まらない中、静岡県静岡市のクリニックでは連日、発熱外来に多くの患者が訪れています。行動制限のない夏休みが始まろうとしている中、ひっ迫する医療現場の今に迫りました。

<吉永医院 吉永治彦院長>

「はい、がんばりました。このまま5秒間辛抱してください」

静岡市清水区の内科医です。午前と午後に1時間ずつ、発熱などの症状がある人を対象に、診察とPCR検査をドライブスルー方式で行っています。

<吉永医院 吉永治彦院長>

「陽性ですね。風邪の症状があってきている方ですね」

感染者数が再び増えてきた7月11日あたりから検査を希望する人が大幅に増え、予約を断る日が多いといいます。

<吉永医院 吉永治彦院長>

「ワクチン3回打ってもらっているから、重症化することはまずないと思うので心配いらないと思いますけど、最初の2、3日が結構熱が出たり辛かったりするんですよ。これまで保健所から電話が行ってたんですけど、保健所が手いっぱいで電話できなくなっちゃってるんですよ。我々の方でフォローアップしますので」

患者に結果を報告し、濃厚接触者の聞き取りや今後の過ごし方などを説明します。

<看護師>

「先生~!先生はやく」

「先生!あと16秒」

休む間もなく訪れる患者。現在流行している「BA.5」は重症化する人が少ないとはいえ、クリニックの負担は減っていません。

<医師から患者へ結果報告>

「お待たせしました。コロナの検査が陽性みたいですね(発症が)17日だから27日まで(自宅待機)」

「なが〜い」

「家庭内の分離というのをやっていただいて、家の中でも食事が確実に別、普段いる部屋も別にしてもらって、家の中で接する時は必ずマスクをしていただく」

7月19日、検査に訪れた14人中、9人が陽性でいずれも軽症でした。一方、第6波の時と比べて変化した点もあります。

<吉永医院 吉永治彦院長>

「(国への報告はパソコンで)症状を選んで入れていけるようになってきていますから、だいぶ前に書いていた時と比べれば全然楽です。薬も出てきたので、重症化のリスクがある方、高齢の方に関しては使えるようになってきた」

「実際現場でどう思っているかというと、ある程度の行動制限は個人のレベルで必要ではないかと思っています。高齢者や基礎疾患がある人たちを確実に守る必要があるので、その人たちに接する場合はPCR検査を活用するとか、当事者はワクチンを4回目打ってもらいたいし、速やかに検査をして速やかに治療につなぐ」

コロナ禍になり、迎える3年目の夏。熱中症に注意をしつつ、医療の現場を守るため、感染対策への一層の警戒が必要です。

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