100歳匿名女性の善意に感謝 手折りのくず入れ数百個贈る 京都・南丹の小学校に

100歳の女性が作ったくず入れを手に喜ぶ児童(南丹市園部町・園部小)

 京都府南丹市園部町の園部小に、折り込みチラシを使って手折りした簡易なくず入れ数百個が寄贈された。贈り主は匿名ながら、添えた手紙に100歳の女性と自己紹介し、「少しでもみな様のお役にたてたら何より」とつづっている。児童は気持ちに感謝しながら、給食の時間に活用している。

 同小に届いた手紙などによると、女性は地元出身で、暇を見つけてチラシを生かしたくず入れを作っているという。たくさんできあがったため、知り合いを通じて6月下旬に同小にプレゼントした。

 手紙では、自分のことを「百才女」と名乗る。昭和初期に地元の小学校で登下校に苦労したことなど、思い出を振り返り、「(くず入れを)使って下さるとの事、うれしいです」とつづっている。「広告紙捨てればゴミ、利用すれば宝」と、長い人生経験を踏まえた金言も記している。

 受け取った児童らは「100歳でこんなに作るなんてすごい」とびっくり。現在、給食の配膳でこぼれた食材を拭いたティッシュなどを捨てる時に使っている。

 6年生の男児(11)は「僕たちに使ってほしいと思って、たくさん作ってくれたんだなと思った。おばあさんが『作ってよかった』と感じてくれるように使いたい」と話す。5年生の女児(10)も「たくさんもらったので、大切にしたい」と笑顔を見せる。

 鉛筆の削りかすや消しゴムのかすを捨てる時など、これからもさまざまな場面で用いていく。手紙は昇降口の近くに張り出され、一部の児童が女性に礼の手紙を出すという。

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