広島・三次市では今、地元産のもち麦粉を使ったパンの試作が行われています。輸入小麦の価格が高騰する中、新たな定番商品になれるのでしょうか。
20日、JA三次で開かれた国産麦の勉強会です。会場で配られたのが、地元のパンの店が作ったもち麦パンの試作品でした。
もち麦パン試作 カドー 松本章治会長
「JAから『もち麦を使ったパンを試作して』と言われて、商品になるようにした」
参加した農家
「コメを作っている農家なので…」
「パンはよくわからない。あまり食べないので」
参加者からは戸惑いの声もありましたが、パンとしての評価はどうだったのでしょうか。
健康食品として注目される「もち麦」。JA三次では、6年前から新たな特産品として栽培に取り組んでいます。しかし…
セミナー主催 JA三次 集落法人グループ 西口啓司代表
「(もち麦の)売り先がない。生産過剰状態。少しでももち麦の需要を伸ばしたい」
その新たな販路の1つがパンというわけです。
もち麦パンを試作したパンの店「カドー」です。JA三次から製造依頼があったのはひと月ほど前でした。
もち麦パン試作 カドー 松本章治会長
「以前から関心はありました。最近、やっぱり体にいいものが重宝されるので」
さっそくJAから地元産のもち麦粉が届きました。
依頼を受けたもう1つの理由が輸入小麦の価格高騰です。
松本章治会長
「小麦がどこまで上がってくるか、見当がつかない。価格があまり変わらなくなってきた」
安い輸入小麦粉との価格差があまりなくなったのです。研究の結果、もち麦粉は粘り気が非常に強く、小麦粉と混ぜないとパンにしにくいこと。生地の割合は3対7が作りやすいことがわかりました。
また、見た目と食感をよくするため、やや固めに炊いたもち麦を混ぜました。
できあがった生地を成形してオーブンで焼きます。パンが焼き上がりました。
担当 永岡真吾さん
「意外とふっくら上がりましたね」
担当のスタッフも初めて作るもち麦パンに興味津々です。
永岡真吾さん
「もち麦の粒がすごく残っていて、食感もおいしいです。」
松本章治会長
「しっかりもっちり感あります。いけると思います」
今回、試作したもち麦パンは3種類。このうち研究を重ねた「B」がもち麦粉30%に、炊いたもち麦を混ぜたものです。
参加した農家
「くるみパンに近い。味はおいしいですよ。」
「これで食物繊維が摂れるんだったら、一石二鳥という感じ」
勉強会を主催したグループの代表は…。
セミナー主催 JA三次 集落法人グループ 西口啓司代表
「けっこう、いけるんじゃないですか。『B』のサンプルぐらいの感じだったらいけそうな感じですね。粒のままでね、もち麦ご飯を食べている感覚のもち麦パン、悪くないですね。食感がいいですね」
松本さんは手応えを感じたようです。
松本章治会長
「まずは店頭販売。地産のもち麦というのを表に出して、商品化させたいなと思っています」