小さな島のアイコンに!ところてん“っぽくない”新食感パフェ、作りました【しずおか産】

熱海港からフェリーでおよそ30分。初島(静岡県熱海市)は静岡県内唯一の人が住む離島で、年間およそ20万人が訪れます。7月、島の漁師が営む食堂街の一角に「ハツシマ・ストア・アンド・カフェ」がオープンしました。

店主は田中福将さん、22歳。17年続いた父親の店を引き継ぎました。

<ハツシマ・ストア・アンド・カフェ 田中福将さん>

「お待たせしました。島パフェと海パフェです」

今回のしずおか産は、若き店主が考案した2つのパフェです。

初島の海をイメージした「海パフェ」。そして、「島パフェ」は夕陽をイメージしています。

<客>

「おいしい!今まで食べたことがない味がする」

<記者>

「このパフェ、ところてんを使っているんですよ」

<客>

「え!ところてんなんですか?」

初島と言えば、ところてん。5月には「ところてん祭り」が開かれるほど、島の名物です。

<ハツシマ・ストア・アンド・カフェ 田中福将さん>

「初島の特産だけど、人気商品ではないので、今回スイーツにした。新しいことに挑戦していかないと、今までのお店だったりやり方だとダメだなって感じた」

そこで、福将さんはところてんを新食感のパフェにしようと決めたのです。

父親の勉さんです。

Q.ところてんをパフェにすると聞いたときは?

<父親の田中勉さん>

「それはいい着想だと思いました。テングサってところてんで処理するしかないんですよ。ところてんで食べる以外にパフェで使えれば、それはそれで新しい可能性が出ていいなあと。苦労したみたいですけど、私はところてんを煮るだけなんで」

ところてんはテングサをお湯で1時間ほど煮詰め、トロトロになった液体を濾します。煮出した寒天質を冷やして固めれば、ところてんができます。そのところてんをパフェ用に変えるのは福将さんの役目です。

<ハツシマ・ストア・アンド・カフェ 田中福将さん>

「まず、固まったところてんを溶かします。このままところてんを使っちゃうと海藻臭さがあって若干薄めて溶かします。ところてんの量が多すぎても臭みが抜けきらなかったり、ところてんの量が少ないと固まらなかったりするので、そこの部分難しいですね」

甘さを出すためにグラニュー糖を加え、グレープフルーツやマンゴの味にしました。

<客>

「おいしい。ところてんっぽくない。ゼリーみたい。ありですね。ぜんぜんわかんないです、ところてんって」

バランスの良い硬さと味を試行錯誤すること半年。ようやくたどり着いたメニューです。

<ハツシマ・ストア・アンド・カフェ 田中福将さん>

「この店で『初島のモノ』といわれるものを作って、初島のアイコン(シンボル)となれるような商品にしたい。初島の中でも変化だったりとか、観光地としてもっとお客さんが楽しめる場所になるきっかけになったらうれしいです」

小さな島の特産品は、若いアイデアで新たな名物を目指します。

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