「やっと浴衣を着てもらえることがうれしい」5年ぶりの安倍川花火に呉服店も期待 コロナ禍で浴衣事情にも変化

7月23日土曜日に、静岡県静岡市で安倍川花火大会が5年ぶりに開催されます。花火大会に欠かせないのが「浴衣」ですが、ウィズコロナの中で開かれる花火大会では浴衣事情にも変化が出始めていました。

<井手春希キャスター>

「私は安倍川花火大会の会場に来ています。こちらの骨組みは提灯を吊り下げる場所、こちらは大会本部が設置される予定です」

2022年は感染症対策の一環として桟敷席を設けないなど例年とは開催の形が異なりますが、準備が着々と進んでいました。

台風や新型コロナによる中止が続いていた安倍川花火大会。1時間に短縮して開催されるものの、5年ぶりの夏の風物詩に街の人も期待を膨らませます。

<街の人>

「楽しみです。花火を見ると夏が来たって思います」

Q.安倍川花火大会には行きますか?

「はい、行きます。みんなに笑顔を届ける花火」

開催を待ちわびていたのは観客だけではありません。静岡市駿河区の呉服店「杜灯草庵晏花」の齋藤純平社長です。

<杜灯草庵晏花 齋藤純平社長>

「すごく待ち遠しかったです。(花火大会当日は)着付けのお手伝いをさせてもらおうと思っています。今はまだ10〜15名くらいですが、今日も問い合わせがありまして、これからどんどん増えてくれればなという気持ちでいます」

久しぶりの賑わいに心を躍らせていますが、2021年までは安倍川だけでなく、静岡県内各地の花火大会が中止となり、着物や浴衣の売り上げが激減。売り上げがほぼゼロに近い時期もあったといいます。

<杜灯草庵晏花 齋藤純平社長>

「やっと浴衣を大勢の場で着ていただける機会ができたことがすごく嬉しく思っています」

安倍川花火大会の開催が決まったこともあり、売り上げもコロナ前の8割にまで回復したといいます。そして、ウィズコロナの中で開かれる花火大会では、浴衣事情にも変化が出始めているといいます。

<杜灯草庵晏花 岸麻衣子さん>

「この数年、着るか着ないかということが多かったので、自分の好みのものを買うよりも、そのシーズンの楽しみとしてレンタルを考えている人が多いみたいです」

最近も新型コロナの感染が急拡大していますが、イベントの開催可否が不確実な事などもあってか、レンタルを希望する傾向が強まっているといいます。

新型コロナに物価高。そして猛暑。23日、5年ぶりに開かれる安倍川花火大会は、時代のどんな様子を映し出すのでしょうか。

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