<新型コロナ>埼玉1万人超の感染、さらに最多更新の可能性 活発な10代が感染最多、医療機関の負担増へ

埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県などは21日、新型コロナウイルスの新規感染者を過去最多の1万823人確認したと発表した。県の1日当たりの新規感染者が1万人を超えるのは初めて。これまで最多だった2月5日の7353人を3470人上回った。5751人だった前週木曜日から、1週間で約1.9倍にまで増えた。

 管轄保健所別感染者の内訳は県管轄6569人、さいたま市2430人、川口市923人、川越市284人、越谷市617人。県管轄の新規陽性者を年代別に見ると、最も多いのが10代で1132人(17.23%)。以下、40代1076人(16.3%)、30代1004人(15.2%)、20代955人(14.5%)と続いた。

 県内では7月に入ってから新規感染者が急増している。オミクロン株の派生型「BA・5」に置き換わりが進んでいる影響と見られ、県感染症対策課によると、直近では約8割に上るとみられるという。5日以降は連日、千人以上の新規感染者が報告され、17日には過去2番目に多い6547人を確認していた。

 1人の感染者が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数は、20日時点で1.202。感染は依然として拡大傾向にある。感染拡大に伴い、医療提供体制の負担が増しており、同日時点の県内確保病床使用率は40.3%(737人/1827床)、うち重症病床は5.2%(10人/191床)と、いずれも上昇傾向にある。

 県は19日に専門家会議を開き、有症状者を診療する「診療・検査医療機関」の体制強化を確認。未指定の医療機関に対し、拡充を依頼しているほか、診療・検査医療機関を補完するため、有症状者に対し、自己検査ができる抗原検査キットの郵送を20日から始めた。無症状者に対しては大宮駅など、ターミナル駅で臨時の検査場を開設する予定。

 県感染症対策課は「行動が活発な、若い人の感染機会が増えている」とし、密を避けるなど基本的感染防止対策の徹底やワクチン未接種の人への接種促進を呼びかけている。

 国内で21日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者が18万6246人となり、2日連続で過去最多を更新した。35都府県で最多を記録し、全体で前日より3万人超も増えた。厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織は同日「今後、過去最多を更新していくことも予測され、最大限の警戒感をもって注視する必要がある」とする分析をまとめた。

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