展示会も大盛況! 若い世代にも親しみやすくなったいけばな…その新たな世界とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、今、若者に人気を博している“いけばなの新しい世界”を、キャスターの田中陽南が取材しました。

◆平日でも大盛況…華道の家元・池坊の展示会

今回、田中が伺ったのは、5月下旬に「日本橋三越本店」で開催されていた華道の家元・池坊の展示会「いけばなの根源 池坊展」。

そこには女性初の家元となることが決まっている池坊専好さんによる青い胡蝶蘭を取り入れた作品をはじめ、約400作品が展示され、平日にも関わらず多くの人で賑わっています。

そして、会場には過去に「堀潤モーニングFLAG」にコメンテーターとして出演した若き華道家・池坊専宗さんの姿も。

一般的に"いけばな”というと難しいイメージ、敷居の高いイメージがありますが、専宗さんは「近所の公園で花を見よう、植物園に行こうかなくらいの気持ちで展示会に足を運んでいただけたら」と言います。

そこで、専宗さんに初心者でも楽しめるいけばなの見方を聞いてみると、ポイントは「花と同じ目線で葉っぱに注目すること」。

「植物に対し、同じくらいの目線で見るのが大事」と専宗さん。そうすることで見え方も、より親しみを持って感じられると解説し、「いけばなは"花”も大事ですが、緑に命が宿るということで、特に葉っぱを尊重している」とも。

◆さまざまな取り組みもあって若者からも大注目

そんないけばなも、このコロナ禍で変化があったそうで、それは「楽しむ人の年齢層」。「高齢の方は教室に通いづらいことが現実としてある一方で、特に若い世代などは、自分の時間が持てたこともあり(いけばなを習う人が)増えた」と専宗さん。現在、いけばなは若い世代からの関心を集め、始める人が急増しているそうです。

その年代は小学生から大学院生までと幅広く、なかにはマレーシアの留学生など国際的。今回の展示会でも池坊のいけばなを学ぶ学生の作品が多数出展されており、その1人である女子中学生に話を聞いてみると「真ん中にある花、シャクヤクを一番綺麗に見えると思う角度で置き、それが主役になるように周りを生けたので、このお花を見てほしいなと思います」と自身の作品について立派にコメント。

また、いけばなの魅力を若い世代に広めるべく、さまざまな取り組みが行われており、そのひとつが毎年11月に開催し、高校生がいけばな日本一を目指す「Ikenobo 花の甲子園」。

さらには、幻想的な映像デジタルアートといけばなを融合させた「時空間ミュージアム」といったものもあり、専宗さんは「いけばなは、アナログの生で見てもらっても美しいが、動画やデジタル技術と重ね合わせていく、そういう可能性もある」といけばなの新たな魅力を語ります。

その他にも、池坊がコラボしたいけばなをテーマにしたアニメ「TSUKIPRO THE ANIMATION 2」の名シーンを実際に体験できるイベントなども開催されており、専宗さんは「本当に(いけばなの)入口はさまざまで、映画やアニメ、イケメンなど、最初はどういう形でもいいと思う。こういう世界(いけばな)もありますよと伝えていけたら」と抱負を述べていました。

お花に興味があり、自宅にもお花を飾っているという政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さん。池坊の公式サイトには「草木の命が日々太陽や雨や風などに出会い、新たな姿へ変化することが"和”なのです」とあり、最初は「はて?」と疑問に思ったそうですが、よくよく考えてみると、「日本文化、陶器やいけばなだからこそ自然のダイナミックさや森羅万象などを表せているところがあり、なるほどなと思った」と改心。

一方、臨床心理士のみたらし加奈さんは「フラワーアレンジメントはやったことがあるが、いけばなはやったことがなかったので、この機会にトライしてみたいと思った」と感興をそそられていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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