【寄稿】7月以降のポイント(WEB版)/POKKA吉田

参議院議員選挙が終わって議席がすべて確定した11日にこの稿を書いている。木村よしおさんは僅か4,800票及ばず落選。惜敗だからこそ悔しさもこみあげてくるものであるが、11日という今日はとにかく私としても忙しい。

当たり前だが選挙戦を木村さん応援でがっつり動いていた私としては、ものすごくたくさんの方々に応援のお願いをしてきたわけだ。それら一人一人に対して余すことないように連絡しまくっているから忙しいのである。

私程度ですらこの忙しさなので、政治連盟の幹部の方々は大変だろうと思う。本日はたぶんLINEばかりで一日が費やされるのではないだろうか。エンドユーザーを巻き込む動きを一部で私も助力した手前、twitterでは一言触れているが、再度触れておく必要があるだろうと検討中だ。

さて、今後の業界のポイントを簡単に。

まずは選挙結果を受けて惜敗だったこともあるが、この結果で業界にとって悪影響が出ないようにすることが最優先となる。既にそのように動いていただいているとは聞いているので、そこは委ねるしかない。誰が誰と会ってどのような話をするか等々は、我々が知る必要はないかもしれないが、木村さんが落選したから業界が悪くなった「とは絶対にならないように」するということが最優先されていると考えて欲しい。これは3年前も同じだったが、今年は惜敗だからこそ、業界の底力を3年前よりも見せることができたと、肯定的に特に自民党から見られた方がいいのはいうまでもない。ここが最も重要だが、ここはクリアできると私は見ている。

そこから先の政治や選挙の話は、今は置いておきたい。多くの業界関係者の声は私も聞いている。「3年後も再びというのなら、もっとやり方を変えるべき」とか「協力要請はもっと早い段階でやってほしい」などの反省というか総括のようなものを求めるという声が一番多いとは思う。私も強くそのように感じている一人ではあるが、政治連盟という業界横断組織の政治団体が理想的に前を向き続けていく状況を得るためにすべきことが、こんな私ごときでも少しはあるような気がしている。何かしらの提言をするべき時期を見定めて私なりに努力したいと思っている。だから本稿では置いておきたい。

この稿を書いている翌週にはスマート遊技機のパネル説明会がある。私も登壇を要請されており、全国のホールがリモート中継で観るこの場の進行等を担うようだ。というのも実際には選挙期間中は日工組、日電協ともに忙しいので、選挙が終わってから打ち合わせをしようということになっている。本日は11日だから打ち合わせの日程を今調整しているところだ。打ち合わせ前の現時点では、スマート遊技機についての情報はおそらくみなさんと私とでほぼ同じ状態である。

本紙が発行された頃にはこのパネルも終わっていることだろう。どこまでの情報が開示されているのかはさっぱりわからないが(説明当事者側に立つのにすみません)、スマート遊技機登場への機運が高まっていくことは間違いない。スマートパチスロは11月には登場予定だが、それはすなわちあと4か月を切っているのだ。なお、スマートパチンコは最新の状況では来年3月からの登場となっている。当初予定から2か月遅れる形になっている。

ところが7月の本当の意味での注目はおそらく6.5号機だろう。犬夜叉が既に本稿執筆時点で中古相場100万円レベルになっている。万枚報告もSNS等で見受けられることから、6.5号機が始まったという印象がふわふわしたものなのかホンモノなのか、見極め月間ということになるだろう。

6.5号機については全国いろんなところで肯定的なパネルディスカッションをしてきたが、話の筋としては「可能性」であった。6.5号機レギュレーションは優れていることは理屈では確かなので、いつヒット機が登場するか、そこによってメダルのパチスロ市場の復活・活性化の時期も変わる。「遅くとも年内」という見立てで走ったパネルの全国行脚だったが、後半では「犬夜叉がやれるかも」という話になってきた。本日はおそらく導入2週目だと思うので、そこがホンモノかどうか、という話である。もちろんカバネリやアクエリオン、その他今後登場する6.5号機についても注目である。

私の「年内までには」という想定を超えて「既に6.5号機市場が本格的に始まった」という結論だったとしよう。こうなると、ぱちんこ市場では数年ほど続いている「特定機種への需要が極端に集中する」という事態になっていく。

ぱちんこの場合は、既存機の性能規制について不満を持っている業界関係者はおそらくはいない。むしろ販売台数を増やしてほしい、というくらいのイメージだ。ちょっと前は「値段が高い」というのがホール職域の不満の根源だったが、今は「台数寄越せ」という時代である。

パチスロ市場が6.5号機の本格始動によってホンモノだったとしたら、そのような状況に急にシフトしていくことになる。それは「今後登場する6.5号機を、正しく機種選定して台数を確保する競走」を意味するわけだ。そこで負ければ高額の中古物件にて引くしかない。

ところが世界的な半導体等部材調達難とコスト高は、まだまだ続いている。業界環境に起因したものではないから業界によっていかんともしがたい。これからは「PSともに台数確保競走」の時代に突入することになる。

スマート遊技機は既存機よりもPSともに性能規制優位なことは間違いない。が、こちらも供給はおそらく需要を満たせないほどに足りないスタートとなる。ということは、既存機市場とスマート市場とがしばらく併設されていく。P機の規制に不満はないだろうし6.5号機が本格的に始まっていたらこちらも同じだろう。だからこそ、既存機市場の活性化、というかメダルのパチスロ市場の活性化は最優先だったのだ。

そういうことがポイントになり、年内までには警察庁の広告宣伝についての通達が上書きされることになっている。その内容に注目し、既存機市場におけるヒット機の台数確保競走に突入し、まったく新しいカテゴリであるスマート遊技機登場を待つ、というのが今年の後半の主な業界重要動向ということになる。

機種選定、特にパチスロの機種選定は大事ですよ。需給逼迫して中古価格が暴騰する前に新台販売価格で購入するのが一番良いのは当たり前のことだから。

そんな今年後半の展開が予想される。

■プロフィール
POKKA吉田
本名/岡崎徹
大阪出身。
業界紙に5年在籍後、上京してスロバラ運営など。
2004年3月フリーへ。
各誌連載、講演、TV出演など。
お問い合わせ等は公式HP「POKKA吉田のピー・ドット・ジェイピー(www.y-pokka.jp)」か本誌編集部まで。

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