「たくさんの人が苦しみ亡くなった」 長崎大のウクライナ人学生、戦争の恐怖語る

戦争の恐怖と長崎大への感謝を語るウクライナ人学生=長崎大文教キャンパス

 ロシア侵攻後のウクライナから避難し長崎大が6月と7月に受け入れた学生3人が21日、同大の定例会見に臨み、戦争に対する恐怖や同大への感謝を語った。
 首都キーウ(キエフ)近郊に住んでいたメルニチュク・セラフィマさん(19)は「爆撃で目覚めた日があった。たくさんの人が苦しみ亡くなっていった。初めはどこにも行きたくなかったが、ここに残っていたら殺されると思いウクライナを出る決断をした。私の人生は、ロシアの侵攻前とその後とで二つに分かれてしまった。私の家族はまだ街に残っている。心配で悲しい気持ちでいっぱい」と語った。
 南部オデッサ出身のマコビエバ・ディアナさん(20)は「長崎は人々が礼儀正しく親切で、静かで穏やかな素晴らしい街。オデッサと共通点があり、故郷のように感じる。長崎大に感謝している」と述べた。
 同大はこれまでウクライナ人の大学生と大学院生ら計24人の受け入れを決定。そのうち10人が同大に到着、学生は同大が提供する宿舎に滞在しながら留学生向けカリキュラムや日本語の特別教育プログラムなどに参加している。今後、平和学の特別講義などを受ける予定。
 長崎原爆の日の8月9日には、同大医学部の慰霊行事への参加や、平和祈念式典に出席する駐日ウクライナ大使との面会が検討されている。


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