国政選挙6連勝!安倍元首相の選挙戦術を過去の選挙結果から分析!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

本記事は7月21日に公開した動画の内容を基に構成しています。

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2022年7月21日に公開された動画のテーマは……安倍元首相の強さの秘訣とは?

ゲストにJX通信社代表の米重克洋氏をお招きし、安倍政権が大勝した3つの国政選挙について語っていただきました。

米重氏が「完璧」と評価する安倍元首相の選挙戦術とは?

【このトピックのポイント】
・安倍元首相の首相在職日数は憲政史上最長を記録。国政選挙も過去最多の6連勝
・安倍政権勝利の秘訣は支持固めの手法と野党分断のタイミングを狙った解散にあり
・米重氏は安倍政権の選挙戦を「戦略、政局観、タイミングの読み方が完璧」と評価

国政選挙6連勝の秘訣とは?

安倍元首相の首相在職日数は第1次政権から通算で3188日、第2次政権以降の連続で2822日と、どちらも憲政史上最長となりました。国政選挙も2007年の参院選こそ惨敗したものの第2次政権以降は6連勝。こちらも最多回数の連勝記録です。

選挙で勝ち続けた安倍元首相の強さの秘訣について、米重氏は「戦略的であったことは間違いない」とコメント。「世論を構造的にとらえた上で、コアとして固める支持層は固め若い世代などのゆるい支持層に対しては経済政策などターゲットに向けたメッセージを発信していた」と分析しました。

米重氏「調査をよく見ている総理大臣という印象を強く持っています」

安倍元首相は具体的にどのような戦略を展開し勝利を収めていったのか、過去の選挙を振り返ってみましょう。

安倍政権時の衆院選を振り返る

2017年衆院選

2017年の参院選は、現在の国民民主党の前原氏と東京都知事の小池氏が政権奪取を目標に希望の党を立ち上げて戦った選挙でした。短い準備期間で急造した希望の党でしたが、結果としては政権どころか野党第一党にもなれず惨敗を喫しています。

安倍政権をみてみると、解散当初は消費増税分の使途変更を争点としていましたが、1、2週間ほどで「国難突破解散」に変化。背景には、北朝鮮のミサイル問題により外交や安全保障への国民の関心が今より高かったことがあります。

それを敏感に察知し演説の内容を変化させていったことについて米重氏は「調査をちゃんと見ていないと判断できない」と評価。加えて、憲法や安全保障が争点になると野党はまとまることができないという点について言及しました。

米重氏「(安倍元首相は)その状況を読み切ったうえで野党を分断。準備期間がない中で野党をまとめさせない形で選挙を戦うという判断をした」「その戦略、政局観、タイミングの読み方は完璧だった。だからこういう選挙結果になった」

自民党の歴代総裁との比較については「第1次安倍政権含めそれまでの政権は世論の動向や、世論の構造として捉えることに無頓着な印象がある」としました。

2014年衆院選

2014年の衆院選は、結果からいうと自民党が291議席獲得の大勝を収めた選挙でした。

当時は小渕氏や松島氏など閣僚の不祥事が相次ぎ、解散はないだろうと思われたタイミングで解散。大きな争点は消費税増税の先送りでした。

米重氏は「2017年同様野党が構造的に強くなれない、まとまれないタイミングを狙って大勝し、アベノミクスに対して信任を得る形になった」と解説しました。

この解説に対しMC鈴木は「安倍さんは野党の状況を見定めて解散を打っている」とコメント。それを可能にした背景について米重氏は「コアとなる保守的な支持層を固めながら、経済という国民の大多数が関心をもつ分野で支持を集めることで常に一定の支持率が高い状況を作り、いつでも解散できる状態にしていた」と分析しました。

米重氏「その上でどこで解散を打てば野党が準備できず、有利な構図を作れるかということを絶えず考えていたのではないかと思う」

2012年衆院選

2012年の衆院選は自民党が政権を奪還した選挙。民主党が分裂し国政政党が乱立していた時期でした。

MC鈴木「懐かしい名前がいっぱいありますね」

当時の安倍元総理の戦略について、米重氏は「まず勝たないといけない状況の中で、保守色よりも経済を重視するメッセージは最初から出していた。」と振り返ります。大規模な金融緩和・財政出動・規制改革といういわゆる「3本の矢」の経済政策が掲げられたのもこの時。

米重氏「民主党政権時代は経済面がかなり厳しかったのは事実。それをいかに立て直していくかというメッセージに重心を置くことが安倍さんの戦い方だった」

動画本編はこちら!

2017年の衆院選はMC鈴木も関係していた?米重氏が語る「もらい事故」とは?

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