オーストリアで起きた観客への罵倒や嫌がらせ行為を受けて、F1フランスGPでは警備を強化

 F1第11戦オーストリアGPで起きた罵倒や嫌がらせなどの行為の報道を受け、ポール・リカールで開催される今週末の第12戦フランスGPでは警備が強化される。

 レッドブルリンクでは、嫌がらせや許し難い発言にさらされた観客たちが、ソーシャルメディアでこうしたトラブルについて報告した。これに対してフォーミュラ・ワン・グループは嫌がらせの行為を非難し、そうした報告を「非常に真剣に」受け止めると述べた。またフランスGPの主催者は、今週末に具体的な警備対策を実施することで対応する。

 まずグランドスタンドの観客席には、目に見える形で配置された警備員が行動を監視し、必要に応じて介入する。コース周辺には、訓練を受けた警備担当者が運用するSOS発信電話があり、ファンはそれを使用して嫌がらせ行為を通報することができる。また、主催者は週末の間、ファンたちに対し互いを尊重するように促すメッセージを、ポール・リカール・サーキット周辺の大スクリーンに表示する予定だ。

 ファンによる罵倒行為や嫌がらせの件について、アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、こうした行為が最近になって起き始めたことだとは思えないと語った。しかし4度のF1世界チャンピオンであるベッテルは、人々が嫌がらせに対し立ち向かったことをうれしく思っている。

「そうしたことに苦情を言い、声を上げ、さまざまなプラットフォームを使って訴える世代がサーキットに来ているのかもしれないね」とベッテルは語った。

「人々が勇気を持って立ち上がるのを見るのは素晴らしいことだ。なぜなら、そこから学んで対策を講じることができる」

「大規模なスポーツイベントでは前から起きていたことだった。これは時代の変化以上のことだ。そうした行為が容認されることはもうないんだからね」

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