「BA・5」急増 5割 4654人感染、死者累計500人

 沖縄県は22日、10歳未満から90歳以上の4654人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。過去最多となった21日からは596人減ったものの、前週金曜に比べ1192人増え、金曜の過去最多を更新。4~12日に採取した257検体をゲノム解析した結果、オミクロン株の派生型「BA・5」の推定割合は47.9%を占め、前週の28.4%から急増した。感染力の強い派生型への置き換えが急速に進んでいる。

 コロナに感染した60~90代の3人の死亡が報告された。県内の死亡者数は累計500人となった。

 障がい者や高齢者向け施設で療養している人は152施設で917人(高齢者施設739人、障がい者施設178人)。うち高齢者施設の39人と障がい者施設の4人は、中等症に当たる酸素投与を受けている。

 コロナ感染や濃厚接触などにより欠勤した重点医療機関の医療従事者は前日比15人増の1112人となり、過去最多を更新している。

 コロナ向け病床数は22日午後1時時点で804床が確保されている。現在の医療フェーズ5における最大確保病床数699床を上回る病床確保が進んでいる。県の宮里義久感染対策統括監は「医療現場は逼迫(ひっぱく)した状況でも、コロナ患者に対応しようと必死に努力している」と、現場の奮闘を強調。「緊急フェーズ」への引き上げについては、週明けにも判断する見通しを示した。

 また、県病院事業局は県立精和病院で20、21の両日に患者4人、職員1人の計5人が感染するクラスター(感染者集団)の発生を発表した。全員同じ病棟で、県はその他の患者や職員にPCR検査を実施したところ、新たな感染は確認されていない。病院事業局は検査を繰り返し実施して感染拡大の抑制を図るとした。

 米軍関係は104人の感染が新たに報告された。また、21日分の基地別の感染者数も報告され、キャンプ・ハンセンの19人が最も多かった。 (知念征尚)

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