やつらは突然、やってくる。
単独犯だと思ったら、あっという間に増殖するやつら。鍵のかかった密室の中でも平気で侵入。お前は、どこからやってくるんだ、コバエ…。
広島大学 統合生命科学研究科 千原崇裕教授
「全くいないところ、ゼロのところからショウジョウバエが発生することはありません」
えっ? そうなの?
フマキラー 開発研究部 応用開発研究室 正木奈穂さん
「ある程度、湿度が保たれていて、室温が保たれているようなコバエにとって住みやすいような環境になると爆発的に増えてしまう」
それならキッチンはコバエにとってパラダイスってこと?! 今回のテーマは、『コバエはどこからやってくる?』。専門家にコバエの生態と予防策を聞いてきました。
とは言いながら、突然ですが、「コバエ」という昆虫は存在しません。コバエというのは、ショウジョウバエなどの小さなハエの総称なんです。たとえ窓を閉めていても気がつくと、ぷーんと飛んでくる、あのうっとうしいコバエは、いったい、どこからわいてくるのでしょうか、専門家に聞いてきました。
□ コバエはどこからやってくる?
広島大学 統合生命科学研究科の千原崇裕教授。ハエを使った遺伝子研究が専門です。千原教授の研究室では、管理された環境でショウジョウバエを育成しています。千原教授にコバエはどこからわいて来るのか、聞きました。
千原崇裕教授
「ゼロのところからショウジョウバエが発生することありません。みなさんの体に付いて入ってくることもあるし、少しすき間が開いていて、そこからにおいにつられて入ってくることもあります。必ず何かきっかけがあるはずです」
コバエは、小さなすき間も通れるし、人についても入ってくる忍者のような存在でした。コバエが好むのは、発酵したアルコール系のにおい。つまり、生ごみを放置したにおいが大好物だそうです。
千原崇裕教授
「流しのまわりや湿度があるところなど、あと、生ゴミがあるようなところを好んで、そこでいわゆる『発生する』と言うんですけど、出てくることになります」
千原教授によりますと、ショウジョウバエのメスは、オスの精子を体の中にためられるため、一度、交尾したメスが1匹入ってきただけでも受精卵を産み続けることができるのだといいます。
千原崇裕教授
「本当にわずかなにおいでも遠くからハエは寄ってきて、卵を産みつけて、そこで繁殖することが可能になります。」
□ どうしたらコバエの発生を防ぐことができるのか
殺虫・防虫剤メーカーのフマキラー廿日市工場でコバエ対策について聞きました。
フマキラー 開発研究部 応用開発研究室
「とにかく生ゴミをためないことだと思います。結局は、やっぱり自然にわくわけではなくて、外から入ってくるのが一番なので、とにかくにおいを発生させないように生ゴミをためない。」
「すぐににおいがしないようにしばって捨てるっていうことが、一番大事だと思います」
正木さんによりますと、飛んでいるコバエだけを駆除しても卵が残っているので不十分だといいます。
フマキラー正木さん
「とにかく、その発生源のまわりを取り除くだけではなく、きちんと1回きれいにすることが大事」
― コバエ対策を簡単にまとめました。
▽生ごみはすぐに捨てる。捨てられないときはすぐに袋に入れて、においが出ないように口を縛る。▽コバエがいると小さな卵を産みつけている可能性も。流しやゴミのまわりの清掃を。▽器にお酢を入れておくと、においでハエが寄ってきて、そのまま溺れて沈んでいくそうです。