吉柳咲良,ラストフライング!ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』ネバーランドは永遠に。

世界中で愛され続けているブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』が開幕。
1981年新宿コマ劇場に榊原郁恵(※榊はキヘンに神)演じるピーター・パンが舞い降りて以来、42年目の公演を迎え、もはや『夏の風物詩』。昨年に引き続き、潤色・訳詞にフジノサツコ、演出に森新太郎。親しみやすく、どこか懐かしさを感じる原点回帰と胸躍る幸福感に満ちた森演出版『ピーター・パン』がさらにパワーアップ。
ピーター・パンを演じるのは吉柳咲良。5度目のピーター・パン役は、更なる飛躍が期待、またこの公演で“卒業”することになっている。 フック船長/ダーリング氏役は小西遼生。 そして、今年の新しいキャスト、ピーター・パンと共にネバーランドに行くウェンディに岡部麟(AKB48) 、元気なタイガー・リリーは田野優花、ダーリング夫人に壮一帆。

物語はすっかりおなじみ、ダーリング家の子供たちはピーター・パンとともにネバーランドに行き、そこでピーターの宿敵フック船長らと戦ったりする、ミュージカル自体は、もう42年前に初演、当時10歳だった子供は52歳。キャストを変え、演出もセットも変えて上演され続けている。
今回で吉柳咲良はピーター・パン卒業。初ピーター・パンの頃と比べると、月並みな言い方かもしれないが、俳優としての成長が著しい。歌唱も芝居も安定、歴代のピーター・パンに負けず劣らず。

小西遼生は最初はダーリング氏として登場、一家の主人として威厳を持って振る舞おうとするのだが、どこかコミカルで愛らしい。一転してフック船長になると、悪っぽさを漂わせつつ、海賊のボスとしては脇が甘い、観客を笑わせるし、そばにいるスミ―(佐川和正)は小者感たっぷり(笑)。ピーターに共感つつ、後半は『恋?』とも取れるような眼差しを送るウェンディ、演じるは岡部麟、弟たちとはしゃぐ姿が本当の子供のようで元気いっぱい。

そしてたおやかなダーリング夫人(壮一帆)、しっかり者の母、そして実は2役、もう1役はダチョウ!!これが弾けまくりで、チョロチョロと登場し、時々奇声を上げるので!必見!タイガー・リリー(田野優花)も仲間を引き連れて大活躍。海賊たちも愉快&お間抜け、しかも皆個性的!

どこでどの楽曲がかかるのか、どういう展開なのか、フライングのタイミングもわかっているのにいつも見入ってしまうのは作品の力。また、演出も動く絵本のようで、ワニがフック船長を襲うシーンは絵本のページから飛び出したみたいに!フック船長演じる小西遼生の動きが可笑しくてついつい笑ってしまう。

そして昨年と比べるととにかく賑やかでひたすら楽しい。子供たちの夏休みに合わせた日程での上演、親子、いや3世代で楽しめるミュージカル、ロビーでは撮影スポットもあるので観劇の記念に。

公開ゲネプロの前に簡単な会見が行われた。登壇したのはピーター・パン役の吉柳咲良、フック船長/ダーリング氏を演じる小西遼生、演出の森新太郎
13歳からピーター・パンを演じている吉柳咲良はこの公演で卒業する。毎日が”ラストフライング”となる。「卒業したくない」と吉柳咲良。デビューがこの作品。「すごく思い入れがあるし来年違う人がこの場所に立って取材を受けたり空飛んでネバーランドの人にかかわると思うとすっごい嫌な気持ちになる」と正直な気持ちを。また、吉柳咲良が初めて舞台にたったのは、この国際フォーラム、思い入れもひとしお。「何度かピーター・パンを嫌いになったこともある」と語る。そして「いい作品にかかわるとすてきな人たちに出会える」としみじみ。フック船長役の小西遼生は今年で2年目、すっかり役が板についている。「この1年でいろいろと経験して成長して戻ってきたピーター・パン…よりさらけ出してみんなとの距離を詰めている、ピーター・パンとの境目がなくなっている。見ていてうれしい」と語る。
演出の森新太郎は「ラストフライングという寂しさを抱えた者にしか体現できない煌めきがある。伸びる要素しかない、来年もやればいい、もったいない。寂しいです」と語ったが、これは吉柳咲良への最大級の賛辞。今年の『ピーター・パン』は今年だけのもの。来年はまた違う『ピーター・パン』となり、そうして作品は脈々と続いていく。そのための寂しさと煌めきと光。吉柳咲良ピーターはこれが見納め、しっかりマスクをして劇場へ。

物語
ロンドンに住むダーリング夫妻(小西遼生/壮 一帆)の子どもたち、ウェンディ(岡部麟)、ジョン(酒井禅功・ 津山晄士朗(W キャスト))、マイケル(遠藤希子・君塚瑠華(W キャスト))の部屋に、空を飛べる不思議な男の子が“あるもの”を取りに忍び込みます。その子の名前は、ピーター・パン(吉柳咲良)。ピーターは 3人の子どもたちを連れ、いつまでも子どもでいられる“ネバーランド”へ飛び立ちます。 ウェンディはネバーランドで出会った迷子たちの“お母さん”になり、タイガー・リリー(田野優花)率いる森の住 人たちとも仲良くなりました。ウェンディたちは、みんなと楽しく愉快な時を過ごしながらも、いつしか我が家が 恋しくなり、迷子たちも連れてロンドンの家に戻ることにします。 一方、フック船長(小西遼生)率いる海賊たちはウェンディを自分たちの“お母さん”にしようと、捕まえてしまい ます。それを知ったピーターは、ティンカーべルとともに海賊船へ向かい、リリーたちと協力して、フック船長や海賊たちとの激しい戦いの末、ウェンディを救います。 いよいよ、ロンドンに帰る時、ピーターとの最後の別れを惜しむウェンディたち。ウェンディは彼にお願いをします。「春の大掃除の季節にはきっと迎えにきてね。」と。時が経ち、約束を果たしにピーターがやってくるのですが・・・。

<岡部麟インタビュー記事>

概要
青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』
<東京公演>
期間:2022年7月23日(土)~8月2日(火)
会場:東京国際フォーラム ホールC
主催:フジテレビジョン/スポーツニッポン新聞社/ホリプロ
特別協賛:青山メインランド
<大阪公演>
期間:2022年8月13日(土)、 8月14日(日)
―8月13日(土)11:00/15:30(貸切)
―8月14日(日)11:00
会場:梅田芸術劇場メインホール
主催:梅田芸術劇場/ABCテレビ
特別協賛:メインランドジャパン
問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3800 (10:00~18:00)
https://www.umegei.com/schedule/1040/
企画制作:ホリプロ
<スタッフ>
原作:サー・ジェームズ・M・バリによる作品を元にしたミュージカル
作詞:キャロリン・リー
作曲:モリス(ムース)・チャーラップ
潤色・訳詞:フジノサツコ
演出:森 新太郎
翻訳:秋島百合子
音楽監督・編曲:村井一帆
美術:堀尾幸男
照明:佐藤 啓
音響:井上正弘
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:鎌田直樹
振付:新海絵理子
アクション:渥美 博
フライング:松藤和広
歌唱指導:満田恵子
演出助手:伴・眞里子
稽古ピアノ:金森 大
舞台監督:二瓶剛雄 瀧原寿子
エグゼクティブ・プロデューサー:堀 威夫
<キャスト>
ピーター・パン:吉柳咲良
フック船長/ダーリング氏:小西遼生
ウェンディ:岡部 麟(AKB48)
タイガー・リリー:田野優花
ダーリング夫人:壮 一帆
≪海賊たち≫
スミ―:佐川和正
マリンズ:笠原竜司
ビル・ジュークス:中山 昇
スターキー:久礼悠介
ヌードラー:冨永 竜
セッコ:渡部又吁
≪迷子たち≫
ふたご2:石川鈴菜
カーリー:倉澤雅美
ニブス:澤田美紀
トートルズ:中野 歩
ふたご1:なづ季澪
スライトリー:松崎美風
≪森の住人たち≫
一条俊輝
井上弥子
黒田 陸
佐藤アンドレア
澤村 亮
鈴木昌実
深瀬友梨
渡辺崇人
ジョン(Wキャスト):酒井禅功 津山晄士朗
マイケル(Wキャスト):遠藤希子 君塚瑠華
ナナ:三浦莉奈
≪スウィング≫
伊藤かの子
佐山太一
公式HP= https://horipro-stage.jp/stage/peterpan2022/
公式Twitter= https://twitter.com/peterpanjapan

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