「もう二度と…」佐世保・高1同級生殺害8年 学校で集会 詳細触れず

校長講話の後、被害少女に黙とうをささげる生徒ら=佐世保市内

 長崎県佐世保市で2014年7月、高校1年の女子生徒が同級生に殺害された事件から8年を迎えるのを前に、2人が通った市内の高校で22日、全校集会があった。校長が「二度と同じようなことが起こらないよう、誓いを新たにしたい」と呼びかけ、生徒らは被害少女に黙とうをささげた。
 例年は体育館で開いているが、新型コロナウイルス感染防止のため3年連続で生徒たちは校長の校内放送を各教室で聞いた。
 校長は、がんを患い20歳で亡くなった青年を扱った本を紹介。高校の吹奏楽部に所属し、応援曲を作曲するなど懸命に生き抜いた人生に触れ「思いやりや、いたわりの気持ちを持ち続け、豊かな人生を歩んでほしい」と呼びかけた。
 集会では事件の詳細に触れなかった。終了後の記者会見で校長は、昨年集会後に気分が悪くなった生徒もおり「生徒の動揺や心情に配慮した」と説明。事件と直接的な関わりのない内容の講話が「事件そのものに直結するかと言われると、なかなか難しい面がある」としながらも「一生懸命生きることの大切さを伝えたつもりだ」と話した。
 事件は14年7月26日に発生。高校1年の女子生徒=当時(15)=が同じ高校の同級生の少女に殺害された。長崎家裁は殺人容疑で逮捕された少女を医療(第3種)少年院送致の保護処分とした。少女は現在23歳。昨年11月、24年までの収容継続を認めた福岡高裁決定が確定。23歳を超えての収容継続は、少なくとも平成以降で初めて。


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