議会フロアの「喫煙室」設置、撤回提案へ 長崎市新庁舎 検討会座長が意向

 長崎市の新庁舎建設を巡り、市議会が議会フロア(5階)への喫煙室設置を内部の検討会で決定し、批判の声が上がっている問題で、座長を務める毎熊政直議員は22日、検討会を25日に開催し撤回を提案する意向を明らかにした。同議員は取材に「市民の理解が得られないと判断した。『喫煙室はもう造らん』と賛同してもらうよう提案したい」と述べた。
 新庁舎は11月末完成、来年1月開庁予定。議長の諮問機関「新市庁舎建設に係る議会機能整備検討会」(市議11人)は6月17日、賛否の声が出る中、工期が差し迫っていることなどを理由に喫煙室設置の方針を決めた。
 2020年4月に全面施行された改正健康増進法は受動喫煙対策を強化。このため、市は新庁舎で、同法が認める特定屋外喫煙場所も含め設置しない方針。ただ、議会フロアは「他の行政フロアと機能が異なる」などとして、同法が認める喫煙専用室設置について「議会の意向を尊重する」としている。
 検討会の6月の決定を受け、「5階のみ喫煙可は市民の理解が得られない」などとして、市医師会や県保険医協会、日本禁煙学会が撤回や中止を求める要望書を市と市議会にそれぞれ提出した。


© 株式会社長崎新聞社