サッカー選手がクラブと契約を結ぶ時、約束された期間はそこに残る義務がある。そしてそれを解除するときには違約金が必要になるが、その期間が終われば選手は自由にクラブを行き来できる。
今回はそんな「0円」での移籍を特集。『Allfootballapp』から「21世紀で最も価値が合った0円移籍」をご紹介する。
ポール・ポグバ
移籍:マンチェスター・ユナイテッド→ユヴェントス
価値:4800万ユーロ(およそ67.23億円)
ポグバはマンチェスター・ユナイテッドからユヴェントスへと2回フリー移籍したという非常に珍しい選手だ。最初は2012年、アカデミーから昇格したばかりの彼は市場価値350万ユーロの状態で移籍を行った。
イタリアで大ブレイクを果たした彼は178試合で34ゴール40アシストという記録を残し、攻守に貢献できるオールラウンド・ミッドフィルダーとして世界に名を轟かせた。そして2016年には1億500万ユーロでマンチェスター・ユナイテッドに買い戻された。
しかしプレミアリーグで一貫性のないプレーに終止したことから市場価値は4800万ユーロまで低下し、さらに契約満了という形に。とはいえユヴェントスにとってはタダで彼を獲得できたことになり、非常に価値ある補強となった。
ロベルト・レヴァンドフスキ
移籍:ボルシア・ドルトムント→バイエルン・ミュンヘン
価値:5000万ユーロ(およそ70.03億円)
ユルゲン・クロップ監督が率いたボルシア・ドルトムントで台頭し、ブンデスリーガの優勝に貢献。2010年にレフ・ポズナニからやってきた無名のポーランド人FWは、2シーズンでドイツ屈指の点取り屋に成長した。
ドルトムントでは103試合に出場して71ゴールを決めたものの、彼は契約更新を拒否した末にライバルのバイエルン・ミュンヘンへとフリーで移籍することを決断し、ファンから激しい批判を受けることになった。
その時の市場価値は5000万ユーロ。それからもさらに彼の存在感は膨らんでいったが、今夏奇しくもその5000万ユーロでバルセロナへ移籍するという。
ダヴィド・アラバ
移籍:バイエルン・ミュンヘン→レアル・マドリー
価値:5500万ユーロ(およそ77.03億円)
2008年夏にオーストリア・ウィーンのリザーブからバイエルン・ミュンヘンへと引き抜かれ、U-19のカテゴリからスタートしたダヴィド・アラバ。それから数年でクラブの中心選手に成長し、様々なポジションをこなすユーティリティ性で大きく貢献した。
バイエルン・ミュンヘンでは13シーズンを戦い431試合でプレーし、33ゴールを奪取。ブンデスリーガ10回優勝という実績を作り、昨年新たな挑戦を志して契約満了を迎えた。
そしてフリーエージェントでレアル・マドリーへ。その時の市場価値は5500万ユーロだった。
ジャンルイジ・ドンナルンマ
移籍:ミラン→パリ・サンジェルマン
価値:6000万ユーロ(およそ84.04億円)
パリ・サンジェルマンはカタールの資本が入って以来多くの資金を費やして補強を行ってきたが、昨年夏はフリーエージェントでの獲得に努力を見せた。その一人がミランを退団したジャンルイジ・ドンナルンマだった。
世界で最も有望だと評価されるドンナルンマは、ミランの下部組織から10代でトップチームへと昇格し、若くして守護神となった選手。イタリアでは251試合に出場して88回のクリーンシートを達成した。
そして6000万ユーロの市場価値がある状況でミランと契約満了を迎え、フランスへと新天地を求めた。ただ、まだその価値を見せたとは言い難い部分もあるが…。
リオネル・メッシ
移籍:バルセロナ→パリ・サンジェルマン
価値:8000万ユーロ(およそ112.05億円)
リオネル・メッシとバルセロナが別れを決めた2021年夏、サッカー界は震撼した。そしてフリーエージェントとなったメッシは最終的にパリ・サンジェルマンヘの移籍を決め、フランスへと進出した。
スペインでは試合を完全に支配していた選手であるが、パリ・サンジェルマンではキリアン・エムバペを生かすためにプレーして多くのアシストを記録。これまでとは違ったメッシの姿を見せていた。
【写真】これも0円?ユヴェントスが「フリーで獲得した最強イレブン」
パリ・サンジェルマンに加入した際の市場価値は8000万ユーロ。ピッチ内ではまだそれを証明したとはいえないかもしれないが、経済的には間違いなくクラブに大きく貢献している。