<新型コロナ>行動制限もう遅い…発熱外来、連日の行列 受け付け開始1時間で上限、医師ら感染も

受け付け開始30分前から行列を作る発熱患者ら=23日、埼玉県川越市

 埼玉県内で新型コロナウイルス新規感染者が過去最多を更新する中、医療機関には連日、発熱などを訴え検査を求める人が殺到している。診察に当たる医師らも感染し、「行動制限すべきだったが、もう遅い」との声も上がる。

 23日、川越市の「川越救急クリニック」(上原淳院長)では、午後4時の受け付け開始前から院外に行列ができた。その日の医師数など体制にもよるが、発熱外来の受け付け数を1日約40組に制限。上原院長によると連日、開始1時間で上限に達し、23日は30分間で30組が受け付けした。患者らは受け付け後、自家用車などで待機中に携帯電話での問診や検査の唾液採取を行い、院外に設けられた発熱外来で診察を受けた。

 上原院長は「夏休み前に子どもが学校で感染し、現在家庭でクラスター(感染者集団)になる例が多い。当院でも医師1人を含む5人が感染し、すでに復帰したが、厳しい」と説明。「政府は行動制限を行うべきだったと思うが、もう遅い」と指摘した一方で、同クリニックでの陽性率が8割に上っているとして「毎日、目の前の40人以上の感染者に対応する職員への危険手当などに使える助成金を出してほしい」と要望した。

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