<高校野球>打順変更、対策ピタリ 浦和学院が快音連発 王者の貫禄見せ、浦和実に6―1/準々決勝

浦和学院―浦和実 7回裏浦和学院1死一塁、金田が右越え2ランを放つ。捕手室井=県営大宮

 夏を知らせるセミの声をかき消すように浦和学院が2本塁打を含む11安打6得点と快音を響かせた。5試合連続で2桁安打を記録した。

 準々決勝では、5回戦から打順を大幅に変更。打率6割の2番伊丹と強打者の5番高山を控えに回し、6、7番以外は左打者を並べた。森監督は「右投手が多いことを想定して起用した」と説明した。

 四回2死まで1安打に抑えられていた打線が、たった5球で指揮官の期待に応えた。6番八谷と7番近内がともに初球のスライダーを捉えて、一、三塁。続く8番芳野は「何としてもかえしてやろう」と3球目の直球を中越えの2点二塁打にして先制する。

 主導権を握ると浦和学院ペース。五回1死一塁から3番金田がフェンス直撃の右越え適時二塁打で追加点を奪う。極め付きは七回の攻撃。1死一塁から再び金田が「ホームランになるとは予想できなかった」と内角の直球を一振り。打球は右飛かと思われたが、ぐんぐん伸びていきスタンドイン。続く鍋倉も「弾道が低くてフェンス直撃かと思った」と右翼席に鋭く刺した。

 打線が奮起すると先発芳野が好投。「自信なく投げてもどうしようもない。(捕手)近内を信じて投げた」と芳野。緩急を駆使して九回途中を5安打1失点で勝利を手繰り寄せた。

 試合後、報道陣から準決勝の相手が花咲徳栄と知らされた指揮官は「花咲徳栄は(5連覇した経験があり)夏の王者と思っている。チャレンジャー精神で必ず勝ちたい」と闘志を燃やす。昨秋の県大会決勝以来となる大一番に臨む準備はできた。

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