<高校野球>山村学園、総力戦でベスト4 節目の年、夢舞台へ全力加速 西武台に7―5/準々決勝

西武台―山村学園 3回表山村学園2死、坪井が左越えに先制ソロ本塁打を放つ。捕手一郷=県営大宮

 学校創立100周年の山村学園が、持ち前の強力打線で3年ぶり3度目の4強入りを果たした。岡野監督は「みんなの力で勝つことができた」と総力戦に目を細めた。

 相手の先発は5回戦まで11回を投げて四死球0、自責点0の好投手。「球が速くてコントロールもいいから、好球必打で積極的に振らせることを意識させた」という指揮官の采配が序盤から的中、流れを呼んだ。

 三回2死から3番坪井が「気後れせずに攻めの姿勢でやってやろうと思った」と低めのスライダーを左翼席に運んで先制ソロを決めた。これが口火となり、四回に1点、六回に2点を奪って、チームが理想とする先行逃げ切りの展開に持ち込んだ。

 だが、2安打無失点に抑えていたエース山田翼が六回途中に脚を2カ所つるアクシデントで交代。小刻みに継投を図るものの、猛追を受けて八回終了して6―5と詰められた。ここから打線が再び奮起。九回1死三塁から6番山田浩が「投手陣が点数を奪われて、もう一度得点を取らないといけなかった」と右越え適時二塁打で突き放した。

 ここまで5試合で53安打36得点を記録し、全ての試合で先制点を奪い、リードを守る形で勝ち上がってきた。右肩上がりの状態で臨む準決勝の相手は同じ西部地区の聖望学園。

 岡野監督は「ここからは、先のことを考えず、これまで同様の総力戦でやるしかない」と意気込む。山田浩は「100%の力で目の前の敵を倒すだけ」と気合十分。100周年と節目の年に悲願の甲子園出場へあと2勝だ。

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