鎮魂の竹灯籠 中島川照らす 長崎大水害から40年

鎮魂の思いを込めて明かりがともされた竹灯籠=23日午後7時35分、長崎市栄町

 死者・行方不明者299人に上った長崎大水害から40年となった23日夜、長崎市中心部の中島川沿いで「7.23 竹灯りのつどい」があり、参加者が竹灯籠をハート形に並べ、その中に「7.23 40」の数字を浮かび上がらせた。川辺では犠牲者を追悼する299本の灯籠が水面(みなも)を照らした。
 市内で環境活動に取り組む11の市民団体でつくる実行委の主催。中島川は、大水害で11の石橋群のうち6橋が流失。眼鏡橋を含む3橋が一部流失した。周辺の4429戸が浸水被害に遭った。
 眼鏡橋に近い諏訪町の岩永德二さん(73)は当時、経営する和菓子店が床上浸水。再建の道は多難だったが「みんなが懸命に立ち上がって復興できた。当時の記憶と地域の文化を次の世代につなぐ大きな使命がある」とあらためて胸に誓っていた。


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