古刹で「乳がん茶話会」 大田原の大雄寺で27日から月2回 「気兼ねなく話し合える場に」

大雄寺で「乳がん茶話会」を開く高橋さん(右)と倉澤住職

 国重要文化財に指定されている栃木県大田原市黒羽田町の大雄寺(だいおうじ)で27日から月2回、乳がん経験者の交流の場「乳がん茶話(さわ)会」が開かれる。手術後や抗がん剤治療中に何度も同寺を訪れ、気持ちが楽になったという高根沢町宝積寺の看護師高橋恵未(たかはしめぐみ)さん(47)が開催を提案し、倉澤文尭(くらさわぶんぎょう)住職(38)が賛同した。高橋さんは「心安らぐお寺の空間の中で不安や悩みを共有し、楽しくホッとできる集いの場になれば」と話している。

 高橋さんは昨夏の検査で左胸に乳がんが見つかり、10月に全摘手術を受けた。気持ちが落ち込む中、友人に誘われて同寺のイベントに参加し、写経やお守り作りを楽しんだ。その後、座禅体験などにも参加し、「お寺の空間に癒やされ、心が整い前向きな気持ちになれた」という。

 がん患者の会は大規模病院を中心に県内でも開かれているが、「誰もが安心して楽しく話せる場をつくりたかった」と高橋さん。自らの体験や医療従事者の視点を多くの人と共有しようと、乳がん患者の会「蓮(はす)の花の会」を設立。倉澤住職も「素晴らしい活動。寺としてもあるべき姿で全力で応援したい」と後押しし、場所を無償で提供した。

 茶話会は月2回、いずれかの水曜(午後1〜3時)と土曜(午前10時〜正午)に1回ずつ開く予定で、参加費は飲み物と菓子代として500円。うち年4回は季節に応じたイベントとして開催し、8月6日午前10時からは「デコ和菓子作り」(事前申し込み、参加費2500円)を開く。

 高橋さんは「病気のことを家族以外には言っていない方も多い。茶話会は出入り自由、申し込みも不要なので気軽に来てほしい」と話している。

 (問)高橋さん070.9006.0897。

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