長崎県北松佐々町の佐々スイミング・スクール所属の中野杏さん(14)=佐世保市立大野中2年=が、昨年12月に北九州市で開かれた第2回フィンスイミング九州大会のJビーフィン200メートルで、2分8秒54のジュニア日本記録(13歳以下)をマークし、ジュニア王者となった。フィンと呼ばれる足ひれを着けて泳ぐ競技。「めっちゃ速く泳げるのが面白い」と来年の世界ジュニア選手権出場を目指し、練習に励んでいる。
ビーフィンはそれぞれの足にフィンを装着してクロールのように泳ぐフィンスイミングの泳法の一つ。中野さんは公式デビューとなった大会で、ジュニア日本記録の2分11秒43を更新し優勝した。
同スイミングでコーチを務める河田純さん(48)は2018年、フィンスイミング国際大会の3種目で銀メダルを獲得。「筋力、心肺機能が強化され、競泳との相乗効果が期待される」と、通常の競泳の指導にもフィンを取り入れている。
中野さんの200メートル自由形の自己ベストは2分20秒。競泳とフィン、双方の練習に励み、才能を開花させた。河田さんは「フィンでいい具合にキックのバランスをとっている。日本記録樹立。メンタル面も含め、いろんな面で成長につながる」。
先月の佐世保市中総体では共通自由形の400メートルで優勝、200メートルで3位。県中総体で九州大会への出場権を獲得するのが当面の目標で、次第に全国への意識も芽生えてきた。
ビーフィンの世界ジュニア選手権は来年6、7月にエジプトで開催される。今回は種目の頭にJがつく国内種目だったが、国際大会になるとシュノーケルを用いるなどの規定が加わり、難易度が増す。来春、代表権を懸けた選考会が開かれる。「世界で泳いでみたい」と夢を思い描き、フィンと競泳に可能性を広げている。