諫早大水害から65年 鎮魂の明かり1000本

河原に浮かび上がった鎮魂の明かり=諫早市、諫早公園そばの本明川

 集中豪雨で長崎県諫早市中心部の本明川などが氾濫し、死者・行方不明者630人を出した1957年7月の諫早大水害は25日、発生から65年となった。高城町の諫早公園周辺では夜、市などが主催する諫早万灯川まつりがあり、本明川河原に約千本の鎮魂の明かりがともされた。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年も明かりの数を減らし、本明川での万灯流し、追悼の打ち上げ花火は中止するなど規模を縮小して開催。ただ、今年は65年の節目に当たることから公園以外にも3年ぶりに河原にろうそくが並べられ、淡い光が川を照らした。
 公園芝生広場では、参列を関係者約30人に絞った慰霊式典が営まれた。午後7時半、市内全域に鳴らされたサイレンや鐘の音に合わせ、黙とう。大久保潔重市長はあいさつで「諫早大水害を知らない世代が増えていく中、過去の教訓を決して風化させてはならない。地域の自然や風土、伝統、文化を守り育てながら安全安心のまちづくりを進めていきたい」と決意を述べた。


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