中学生の言葉

 「ありえん」。驚きや違和感を手軽に表現するたった4文字の言葉は「強烈な否定の言葉」だ。だから、たくさん言葉を用意しておきたい、と小島中3年の真浦雫さんは思う。「私と違う誰かの心を大切にするために」▲引っ込み思案で自信が持てない…三川中3年の湯川結芽さんを変えてくれたのは学校の委員会活動だ。二つのことを胸に皆の前に立つ。「挑戦を怖がらないこと。感謝を忘れないこと」▲集会で先生の言葉に「ハイッ」と返事をしたら体育館に響いたのは自分の声だけ。それから周りを気にしてばかりだった長与中3年の平山愛理さんは友の姿を見て考え直す。「自分の意見を言うのは本当の気持ちを大切にすること」▲食事の時には生産者や自然に、部活の試合では対戦相手に。「勇気を出してありがとうを」と長与二中3年の上河果林さん。私たちの日常は必ず誰かの手で支えられているから▲真っすぐな言葉が行く手をきらきらと照らす。「社会を明るくする運動」長崎地区中学・高校生弁論大会から▲鳴北中3年の瀬端セルゲイさんは母がウクライナ人。止まない戦闘に心が痛む。「それでも戦争はいつか終わる。その時、復興の道を歩くウクライナと日本とロシアの懸け橋に」-静かな決意を抱きながら、母にロシア語を教わっている。(智)

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