2022年の夏は、引き続き厳しい暑さが予想されていますが、真夏の災害で問題となるのが避難所の「暑さ」です。自治体の対策は進んでいますが、限界もあるようです。
<藤枝市の担当者>
「こちらが市の指定避難所の一カ所になります」
<伊豆川洋輔記者>
「窓が開いていても暑いですね」
<藤枝市の担当者>
「温度計がありますので見てみましょう」
<伊豆川洋輔記者>
「35℃を超えていますね」
<藤枝市の担当者>
「すでに危険な暑さになっていますね」
藤枝市が指定する避難所の一つ、岡部小学校です。市は、災害時に避難所となる小・中学校の体育館の暑さ対策を進めてます。
<藤枝市地域防災課 大石好美課長>
「スポットクーラーというものを各体育館の方に設置をしていて、こちらの方にも4台準備をしています。そちらを災害時には、活用させていただいて、体育館内の温度を下げると考えています」
藤枝市内に40か所ある指定避難所のうち、小中学校の体育館26か所にスポットクーラーを4台ずつ常備しています。
<伊豆川洋輔記者>
「かなり強い風が出ていますね。冷たい風が出ているので、辺りはかなり涼しいと感じます」
しかし、コロナ禍での避難を考えると難しいこともあります。
<藤枝市地域防災課 大石好美課長>
「コロナを通じて間仕切りで感染を防止する部分、プライバシーを配慮して間仕切りを設置することが想定されているので、全体がどのぐらい涼しくなるかというのは課題があるかと思います。コロナ禍を通して在宅避難をされる方も増えていると思います。その中で水は1人1日3リットル、一週間分をご用意くださいと申し上げているが、夏場は暑くなるので多少余分に用意していただくことも必要」
避難所の暑さは、過去の災害でも大きな問題になりました。2007年の「新潟県中越沖地震」は、真夏に発生し、熱中症の危険性が高い中での避難生活を余儀なくされました。
<新潟県中越沖地震の避難者>
「暑くて暑くて」「暑いから窓を開ける。でも、虫が入るから閉めてくれということもあった」
新潟県柏崎市の避難所にエアコンが整備されたのは、災害が起きてから3週間後でした。
静岡県内では、エアコンがある体育館や教室を避難所に指定している自治体もありますが、全ての避難所にエアコンを整備することは困難です。
では、個人ではどんな備えができるのか。2021年7月の熱海市の土石流災害で被災者を支援する静岡県のコーディネーターを務めた鈴木まり子さんは、少しでも体温を下げるための備えが必要だと話します。
<被災者支援コーディネーター 鈴木まり子さん>
「涼しい洋服やうちわであるとか、今から暑いところに遊びに行くときに、カバンの中に入れたくなるようなものを、ぜひ体育館に避難するときにも、用意しておくものとしてイメージしていただけるといいかなと思います」
非常時の持ち出し袋に速乾性にすぐれ涼しく感じる衣服や冷感シート。また、衝撃を与えると瞬時に冷たくなる冷感パックや、うちわなどを入れると役立ちます。
<被災者支援コーディネーター 鈴木まり子さん>
「いまドラックストアに行くと体を冷やすようなものがいっぱい売っていますよね。あと風を起こす物とか、なのでそのあたりのコーナーをのぞいてみるのがいいと思います」
避難所での暑さ対策は行政に頼らず、一人ひとりが考えておくことが大切です。