日本代表と激突!韓国代表の“狙い”と注目すべき2選手

7月20日から日本で始まったEAFF E-1サッカー選手権。

今年はワールドカップイヤーであるため、ワールドカップに出場する日本と韓国にとっては国内組の最後のアピールの場となる重要な大会だ。

2013年以来の優勝を目指す日本代表。最大のライバルとなりうるのはやはり韓国だろう。

韓国は初戦で中国、2戦目で香港に勝利し、27日には大会の優勝をかけて日本と対戦する。

日本と共に今年のワールドカップに出場する似た境遇の韓国だが、どのような狙いを持ってE-1選手権に臨むのだろうか。今大会の韓国代表の狙いと注目選手を紹介していこう。

韓国代表のメンバー構成は

GK:
チョ・ヒョヌ(蔚山現代)、キム・ドンジュン(済州ユナイテッド)、ソン・ボムグン(全北現代)

DF:
イ・ジェイク(金泉尚武)、クォン・ギョンウォン(ガンバ大阪)、パク・ジス(金泉尚武)、ユン・ジョンギュ(FCソウル)、キム・ジュソン(金泉尚武)、チョ・ユミン(大田ハナシチズン)、ホン・チョル(大邱FC)、キム・ジンス(全北現代)、キム・ムナン(全北現代)

MF:
クォン・チャンフン(金泉尚武)、ファンインボム(FCソウル)、ペク・スンホ(全北現代)、ソン・ミンギュ(全北現代)、キム・ジンギュ(全北現代)、イ・ヨンジェ(金泉尚武)、キム・ドンヒョン(江原FC)、オム・ウォンサン(蔚山現代)、ナ・サンホ(FCソウル)、カン・ソンジン(FCソウル)、コ・ヨンジュン(浦項スティーラース)、イ・ギヒョク(水原FC)

FW:
チョ・ギュソン(金泉尚武)、チョ・ヨヌク(FCソウル)

7月11日に韓国サッカー協会がE-1選手権に臨む韓国代表メンバー26名を発表したが、現在はそこから少し選手が入れ替わっている。

JリーグのV・ファーレン長崎でもプレーした経験があり、昨年の東京五輪にも出場したイ・サンミン(FCソウル)は、今回A代表に初選出されたが、新型コロナ陽性で不参加に。代わりにA代表での経験が豊富なパク・ジス(金泉尚武)が選ばれた。

中国の山東泰山に所属するソン・ジュノはリーグ戦での負傷で不参加となり、Kリーグで指折りのゲームメーカーに成長したイ・ヨンジェ(金泉尚武)が代替抜擢を受けた。

また19日には、守備の要、キム・ヨングォンが胃腸炎により不参加が決定。金泉尚武でプレーする左利きのCBイ・ジェイクが召集された。

初招集の選手やこれまでA代表の試合で出場時間が限られていた選手が中心に選ばれたが、キム・ジンスやファン・インボム、クォン・チャンフンらA代表の主力選手が数名メンバー入り。新戦力のテストをしながらも、しっかり優勝を狙う意思が伺える。

直前で離脱者が出てしまい、万全な状態で臨めていないものの、DF・MF・FWにバランス取れた選手選考となっており、代表初招集の選手が複数人いる日本代表にとっては手強い相手となりそうだ。

大会の“狙い”

韓国代表の指揮官を務めるのは、ポルトガル人のパウロ・ベント監督。

現役時代は守備的なMFとして活躍し、ポルトガル代表でもプレー。指導者としても同代表やスポルティング・リスボンを率いた経験があり、韓国代表の監督には2018年ワールドカップ後に就任した。

今回のE-1選手権に臨むにあたり、パウロ・ベント監督は「初招集のメンバーたちが代表チームで練習できる期間が短く残念だが、代表チームが追求する戦術と哲学をよく理解できるようにする」とコメントしている。

このコメントから分かるように、国内組のパフォーマンスのチェックをメインに、これまで韓国代表チームが積み上げてきた戦術・哲学を新しい選手たちに浸透させることをテーマに挙げている。

また、現在韓国はE-1選手権を3連覇中。もちろんファンからは4連覇の期待が寄せられている。

新しい選手への戦術・哲学の浸透、大会4連覇と、難しい両立が課せられたパウロ・ベント監督。クリスティアーノ・ロナウドらにも慕われた名将の手腕が試される。

注目選手

チョ・ギュソン

所属クラブ:金泉尚武
ポジション:FW
生年月日:1998年1月25日(24歳)

ヨーロッパ組不在の今大会の韓国代表で、得点源として期待されているのがチョ・ギュソンだ。

身長188cmの長身ながら、フィジカルに頼らない足下の技術を持っており、左右両足での柔らかいシュート、突き刺すようなミドルシュート、打点の高いヘディングなど得点パターンが豊富な万能型ストライカーだ。

周りを活かすポストプレーも得意で、韓国では代表チームの先輩ファン・ウィジョとよく比較される。

Kリーグ2(韓国2部)のFC安養の下部組織出身のチョ・ギュソンは、2019年にプロデビューすると、プロデビュー1年目でいきなりリーグ戦14ゴールを挙げてKリーグ2のベストイレブン入りを果たす。

翌年には国内屈指の強豪、全北現代へのステップアップに成功。今シーズンは兵役のため軍隊クラブの金泉尚武でプレー。Kリーグ1で得点ランキングトップタイの12ゴールを記録している。

韓国代表ではカタールワールドカップのアジア最終予選以降、徐々に出場機会を増やしているが、大舞台での実績が豊富なファン・ウィジョの牙城は崩せていない。E-1選手権での活躍を糧にし、ワールドカップでの躍動に期待したい。

注目若手選手

カン・ソンジン

所属クラブ:FCソウル
ポジション:FW
生年月日:2003年3月26日(19歳)

今大会最大のサプライズはカン・ソンジンの招集だろう。2003年生まれのカン・ソンジンは、今シーズンのKリーグに彗星の如く現れた若き左利きのドリブラーだ。

所属するFCソウルでは主に右WGでプレーすることが多く、右サイドから中央へカットインするドリブルが魅力的。 ロールモデルは「ブラジル代表のネイマール」と明らかにしており、足裏を使ったドリブルや独特なリズムの仕掛けはどこかブラジル人選手の様にも見える。

FCソウルの下部組織出身の同選手は、2020シーズンのKリーグ・ジュニア(ユースリーグ)で10試合11ゴールをを挙げて得点王に輝いた。

そして昨シーズン、FCソウルとクラブ史上初の準プロ契約を結び、Kリーグ最年少出場記録となる17歳11ヶ月12日でKリーグデビューを果たした。これはオ・ヒョンギュが保持していた18歳14日の最年少出場記録を大きく塗り替える記録である。

今大会のメンバーへの選出は、パリ五輪を見据えての選考という意味合いが強い。しかし、今大会で目立った活躍を見せれば、一気にクォン・チャンフン、オム・ウォンサン、イ・ドンジュンが競う右WGのポジション争いに絡めるかもしれない。

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ぜひE-1韓国代表の最年少ドリブラーに注目していただきたい。

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