全宅連、会員間の新流通システムを稼働 坂本会長3期目、後継者不足問題を研究

(提供 日刊不動産経済通信)全国宅地建物取引業協会連合会は坂本久会長の3期目のスタートにあたり会見を開いた。坂本会長は今年度の最重要事業に、ハトマークサイトの全面刷新による新流通システム「ハトサポBB」の稼働を挙げた。一般公開のハトマークサイトを中心としてきた不動産流通システムを「ハトサポBB」とし会員間流通に主軸を移す。

レインズへのワンストップ登録などシステムの根幹部分を13日に開始。9月には各民間ポータルサイトへのワンストップ登録や「ハトマークサイト」での物件公開なども始め本格稼働させる。ウェブ上で内見予約ができる「ハトサポ内見予約」や、入居・購入の申し込みや家賃保証の審査をウェブ上で完結できる「ハトサポ申込」の機能も加えていく。坂本会長はハトサポBBの狙いについて「不動産取引の入口から出口までワンストップでサポートする業務支援プラットフォームを目指す」と語った。IT技術の導入については「大手と中小で二極化している。会員の中小不動産会社が取り残されないよう、ハトサポを通じて導入しやすいITツールを提供していく」とした。11月には電子契約のシステムも加える。

全宅連は今年度、不動産会社の経営者の高齢化や後継者不足の問題を研究する。秋頃に専門家を交えた勉強会を立ち上げ、実態把握や事例収集を行い、事業承継に関する法令や税制などについて来春をメドにガイドブックにまとめる。坂本会長は「後継者不足で廃業するケースもあり、会員減の一因となる可能性もある」と危機感を示した。会員数は4月1日時点で10万369会員となり、11年ぶりに10万社を突破。今年度は5000会員の新規入会を目標に掲げる。

© 不動産経済研究所