結婚、子育て、チャレンジ。将来のことを考えて移住を決心|北海道下川町移住者インタビュー

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高松峰成 32歳 観光協会事務局長 青森県生まれ
高松慧(けい)32歳 主婦 東川町生まれ
2016年5月移住

雪にめがけて走り出した息子さんをやさしい眼差しで見守りながら「この子は下川生まれですからねぇ」とつぶやいた。

東京で忙しく働いていた二人が、これからの自分たちの人生を考えたときに生まれてきた、「下川町への移住」という選択肢。新しい仕事、初めての子育て。下川が二人に何をもたらしているのか。

結婚、子育て、チャレンジ。これからのことを考えて移住を決める

慧:2016年1月だったかな、旦那が知らない間に移住フェアに行っていたんです。突然「移住先を決めてきた」って言うんですよ。

峰成:そうだったよね(笑)。「どこに?」って聞かれて、下川町の話をしました。

慧:「下川ってどこ?」と驚きましたね(笑)。
ただ、私も結婚、出産、子育てとこれからの人生を考えると、やっぱり生まれ育った北海道のことを思い出していたんです。

当時は私も夫も仕事が忙しく、11時過ぎて帰宅なんてこともしょっちゅうでした。

独身で若いときには都会は楽しいけど、この環境で子育てしていく自信はないな、と。なので、北海道という決断は嬉しかったです。

峰成:その時は北海道の広さをよく理解してなかったんで、妻の出身地の東川町と、移住しようと思っている下川町は近いと思っていたんですけど、そうでもなかった(笑)。

僕は青森出身なのですが、当時は転職活動をしていて、その一環で移住フェアに行ったんです。

たくさんのブースがある中、下川町は他の自治体とちょっとコンセプトが違うなぁと気になっていたら呼び止められて。

まちづくりの話もおもしろかったし、観光協会の事務局長のポストが空いていると伺って、チャレンジしたいなと思ったんです。

それまでまちづくりなんて考えたことがなかったけど、「観光」なのでエンタメ的な要素もありそうだし、企画の仕事にも興味があったので。

慧:その翌月の2月には一人で下川に行っていたよね。

峰成:まずは一度行ってみようということで、1年で一番寒い時期に(笑)下見に行きました。

日程も、アイスキャンドルミュージアムに合わせて。最初の印象は、透明感があって、無駄なものがない、とにかくきれいな町だなと。

自分も田舎生まれですし、この静けさにほっとしました。

確かに店は少ないかもしれないけど、行くところが絞られていて楽そうだなと思いましたし。

慧:その後、3月に入籍して、彼は5月に、私は6月に下川に移住してきました。あっという間の半年でしたね。

人の魅力が地域の魅力。多趣味で元気でおもしろい人たちが集まる

峰成:今は観光協会の事務局長として、観光客の窓口はもちろん、町内のイベント運営や町外へのプロモーションなどを行っています。

下川はバイオマスエネルギーや森林環境経営、SDGsなどの先進地域なので視察も多く、そのフォローもします。

仕事は量も質も予想以上でしたが、達成感があるんです。前職では数字を追うことが重要でしたし、「誰のため?」というのが見えなくなっていたんですが、下川では人と直接関わっていくので、それが見えるんです。

それに下川は特におもしろい人たちが多くて元気ですし、楽しいんです。落ち込んでいる町だったら、移住してこなかったと思います。

それに多趣味な人も多くて。

音楽でも、Jポップ、クラシック、ジャズ、いろんな話ができて、自分の好きなものをわかってくれる人がいてうれしかったり。

飲食店のマスターだったとしても、飲食だけでなくたくさんの趣味やアンテナを持っている、というような人が多いなと思います。だから、話をしていてもおもしろいんですよね。

慧:最近は、「森のてしごとや」というハンドメイドサークルもできました。

下川で手作りで雑貨を作っている女性たちが集まって、イベントとかに出店するんです。

自分たちが作ったものを販売できて、私も消しゴムハンコを作って、何度かお店を出しています。

峰成:下川の魅力の一つは「人」にあるので、パッと来ただけではその魅力が伝わらないんですよね。

観光協会の事務局長としては難しいところなんですけど(笑)。

ただ最近は、アウトドアアクティビティが提供できるスタッフも入ってきたので、今までできなかったプラスαの新しいチャレンジもしていきたいと思っていて。

アクティビティも含め、いろんな人に出会えるように、まち巡りだけでなく人巡りをしてもらえたらなって。

下川は、まだ観光地としての体制ができていません。

お客さんが来た時に楽しんでもらえるコンテンツを、町民のみなさんにご協力いただきながら作っていきたいです。

裏表なく、素直に飾らずに暮らしていける

慧:東京時代は仕事と家の往復で、休日はどこかに遊びに行ってという感じでしたが、移住してきてからは生活ががらりと変わりました。

1日がゆっくり過ぎていきます。息子が生まれてからはお出かけが増えて、友人もできてきました。

2週間に1度は0歳児むけの「ぴよぴよ」というプログラムが幼児センターの一角で開かれたり、週1回は別のプログラムがあったりと、乳幼児の母親が孤立しないようになっています。

お散歩にいくと周りの人がとにかくたくさん声をかけてくれて、遊んでくれたり、ちょっと見ていてくれたり。

子どもがいても過ごしやすいし、子育てしやすい環境です。

峰成:森も川も、自然が近くにあって、遊ぶものにあふれています。

自然の中なら、遊ぶための道具なんて必要ないんですよね。最近は雪遊びが大好きですね。

もう少し大きくなったら川にも行けるかなぁ。

今年はいろんなところに家族で行ってみたいですね。

慧:こういった環境ですし、自由に育ってほしいです。私も田舎で生まれて育って、東京で学んで、だからこそ改めて下川の良さがわかります。大きくなって息子が都会に出たいと言えば、縛らずに「いいよ」と言ってあげたいですね。

峰成:下川は、仕事と暮らしの境目も、仕事で関わる人とプライベートで関わる人との境目もないんです。

裏表なく、素直に飾らずに、そのままの自分で暮らせるのがいいんですよね。

最初はその状況に慣れなくて、どんな風に人と接したらいいのか戸惑ったりもしたんですが、身近な先輩と仕事したり、飲んだり、ざっくばらんに話をしていく中でわかってきました。

観光協会はいろんな人たちと一緒に仕事していくので、そういった付き合いができるのは強みです。

慧:下川は、自分のやりたいことや想いをもっている人が多いしね。

峰成:田舎でゆっくり、という暮らしを目指している人にとっても良い環境だと思いますし、自分のやりたいことを達成したいという想いを持っている人にとっても、オススメの町ですね。

前向きに頑張っている人、新しいことにチャレンジしている人、さらに「やりたい」を応援してくれる人がたくさんいます。

そういった人たちとの、仕事もプライベートも抜きの関係性が、思ったことをパッと形にしてくれる力になっているんでしょうね。

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