静岡県内でつくられたカプセルで宇宙での快適な生活を作り出す。そんなチャレンジがスタートしています。JAXA=宇宙航空開発研究機構が携わるこの取り組みは、宇宙でも地上でも使える新たな事業を生み出すことが期待されています。
人類の夢・宇宙での生活。ISS=国際宇宙開発ステーションでの生活をより豊かなものに。そんな研究が静岡県内で始まっています。
<三生医薬 奈良未沙希さん>
「いまISSの悩みを出してもらったが、においが気になるところと、リラックス・眠りが出ているんですけど」
宇宙生活での悩みについて話し合っているのは、静岡県富士市に本社を置く「三生医薬」の若手で構成するプロジェクトチームです。
三生医薬はJAXAが募集した「宇宙・地上双方の暮らしをより良くする事業開発」を目指す企業の一つとして7月、選定されました。
サプリメントや医薬品を手掛けるこちらの会社は、カプセルの製造で国内屈指の生産量と技術を誇ります。この技術を何とか宇宙での生活にも活かしたい。若手を中心としたプロジェクトチームが2022年1月から検討を重ねてきました。
<三生医薬 奈良未沙希さん>
「我々にとっても宇宙にカプセルを持っていくのは新たなチャレンジなので、これをきっかけに我々のカプセル技術も向上するといいなと」
今回、設定されたテーマは「寝具と融合した快眠を提供する睡眠ソリューションの開発」です。
<話し合いの様子>
「睡眠となると日常生活でもISSでもシェラフで寝ている人とかに」
まだ研究は始まったばかりで、そもそもカプセルが宇宙で本当に活用できるのか、明確なビジョンは出ていません。
それでもJAXAの事業に携わることで、日常生活でも活用できる新たな事業を生み出す効果が期待されるほか、本業のブランド力も向上するとみられています。
<三生医薬 今村朗 社長>
「今回JAXAに取り上げてもらうことでいろいろなところとコンタクトを取れるし、食品や医薬品を含めて期待している」
大きな目標を掲げることが新たな進歩につながる。夢への挑戦は始まったばかりです。