Vol.04 株式会社ヌーベルバーグ〜グラフィックと親和性の高いKAIROSで、XRを使った高クオリティな映像コンテンツ制作を実現[KAIROS Story]

背景

XR × IPにより、かつてない次世代型スタジオ誕生

テレビ局やライブイベントなど、様々な制作現場への技術提供を行っている株式会社ヌーベルバーグは、2022年3月に自社スタジオ「n00b.st(スタジオヌーブ)」を新設した。同スタジオでは、インカメラVFXや大型LEDビジョンとグラフィックの合成により、空間スケールを拡大した様々な映像表現が可能だ。また、全ての機材がネットワークでつながったフルIPの制作環境を構築している。未来の番組制作の幕開けを思わせる次世代型スタジオに、IT/IPプラットフォーム「KAIROS」が導入されている。

インカメラVFXが可能なXRスタジオの様子。高精細な大型LEDビジョンに映し出されたCGや映像と、出演者がリアルタイムに合成され、バーチャルとリアルの自然な融合を実現している

■n00b.stで制作された番組

  • 「ニューヨーク恋愛市場」(株式会社AbemaTV)
  • 「ACTORS☆LEAGUE」(株式会社AbemaTV)
  • 「コズミックフロント 宇宙旅行オンラインセミナー」(株式会社NHKエデュケーショナル)

導入理由

多重合成に優れ、信頼性の高いレイヤー型スイッチャー

以前からIPスイッチャーには慣れ親しんでいたヌーベルバーグだが、運用する中で様々な課題を抱えていたという。代表取締役副社長の池田正義氏は次のようにコメントしている。

池田氏:

従来のIPスイッチャーはレイヤー数に限りがあり、足りない時は2段、3段を積んで運用していました。また、番組中にフリーズするなど安定性の面でも課題がありました。
KAIROSなら50レイヤー以上を必要とする番組制作を1台のみで実現し、途中でフリーズすることのない安定した運用が可能です。ハードウェアタイプも含め様々なスイッチャーと比較しましたが、我々の理想にぴったりとマッチしたので採用を決定しました。

KAIROSが設置されたサブルーム。2面のマルチビューはレイアウトを自由に変更することが可能

導入後の効果

eスポーツなどの高度な演出が求められる番組制作に貢献

スタジオヌーブでは、バラエティ番組や教育番組、企業イベントの配信など、様々な映像制作を行っており、特にKAIROSはeスポーツのライブ配信に適しているという。

池田氏:

多重合成が必要なeスポーツはKAIROSの能力が最大限に発揮される場だと思います。eスポーツは約100名のプレイヤーとオンラインでつないで実施することもあり、さらにプレイヤー情報や戦況などの様々な情報が一気に表示されるため50~60レイヤーは必要になります。
KAIROSならこれだけのレイヤー数を1台で処理でき、複雑な画面構成にも柔軟に対応できます。また、安定した運用が可能なため、6~7時間という長時間のライブ配信でも安心できることが何よりありがたいですね。

簡単オペレーションで円滑なライブ配信を実現

KAIROSはGUIソフトウェア「Kairos Creator」を使い、PowerPointのようにPCから簡単に画像合成や各レイヤーのトランジション設定などを行うことが可能だ。実際に数々の番組制作を行っている制作技術 TD部 メディア課の村山聖氏は次のようにコメントしている。

村山氏:

Kairos Creatorで事前に合成の仮組みができるため、本番で慌てることのない円滑なライブプロダクションが可能になりました。また、以前はVTR出しやテロップ出しなど一連の作業全てを1名で行っていましたが、Kairos Creatorがあればスイッチャーとは別進行での作業が可能なため、分業できるようになりました。

Kairos Creatorはレイヤーごとに素材が色分けされて分かりやすいと好評

システム構成図

※画像をクリックして拡大

■納入機器

■関連機器

今後の展望

バーチャルプロダクション×リモートプロダクションで、様々なお客様のニーズを叶えていきたい

池田氏:

多彩なレイヤー合成を1台で叶えるKAIROSと、美術セットが不要なXRスタジオの組み合わせにより、お客様に高品質な制作環境を低コストで提供できるようになりました。
さらに今後はKAIROSを使ったリモートプロダクションに力を入れて行きたいと考えています。たとえば、2021年夏に大規模な音楽フェスの配信を担当したのですが、オペレーターを派遣し全機材を現地に持ち込み、電源の心配もあるような屋外環境の中で配信していました。今回リモートプロダクションに適したKAIROSを導入しましたので、今後は現地からスタジオヌーブにIPで伝送し遠隔でスイッチングすることで、安定した配信とコストメリットの共存という、お客様に大きなベネフィットをもたらすことができるのではと考えています。
また現在は、グラフィックと照明を連動させた、よりリアルなバーチャル環境づくりに挑戦しており、将来的にはKAIROSからのスイッチングも連動させて、より一層利便性を向上させようと考えています。これからも様々な技術を取り入れ、お客様の映像制作に貢献できるスタジオをつくっていきたいと思います

写真左:株式会社ヌーベルバーグ 代表取締役副社長 池田正義氏写真右:株式会社ヌーベルバーグ 制作技術 TD部 メディア課 村山聖氏※所属は納入時のもの

映像制作のプロフェッショナル集団

株式会社ヌーベルバーグ

1986年に映像技術会社として誕生した株式会社ヌーベルバーグは、テレビ局などへの人材派遣や機材提供を行い、長きにわたり日本の映像制作を牽引してきた。今回新設した「n00b.st(スタジオヌーブ)」は、XR撮影が可能なSTUDIO-1とクロマキー撮影が可能なSTUDIO-2の2つのスタジオから成り、技術スタッフが撮影から配信までサポートするレンタルスタジオとして運営している。

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